2008年の米大統領選の民主党候補指名争いにおいて、クリントン上院議員が女性初の大統領を目指し健闘していた。このことは、ジェンダーフリーがすすむ欧米社会を象徴した出来事であったのではないだろうか。一方で、先進諸国の中でジェンダーフリーの社会構築がなかなかすすまないのが我が国である。そこで、日本の現代社会とジェンダーについて考察したい。
はじめに、ジェンダーフリーの成り立ちについてみる。この動きのきっかけとなったひとつに、米国のフリーダンが性別分業に対して問題提起を行ったことがあげられる。このことに先進諸国のフェミニズム運動が共有し、1979年には国連において女性差別撤廃条約が採択されるまでに進...