コエンザイム(CoQ)の歴史
1957年 米国のフレデリッククレーンは、牛の心筋ミトコンドリアから可逆的に酸化還元を受け、ATP産生に不可欠なキノンを分離した。 同年にイギリスのモートン教授らは、ビタミンA欠乏症のラット肝臓から単離され、広く生物界に分布しているCoQ10を抽出し、ユビキノンと名づけた。
1958年 ユビキノンとコエンザイムQが同一であることが明らかになり、米国ニュジャージー州Merck社のカール・フォルカース教授達によって詳細な化学構造が定義され、化学生産が理論的に可能となった。
1960年 日本人Yuichi Yamamuraのグループにより虚血性心疾患の治療に世界ではじめてCoQ-7が使用された。
1966年 TappelらがCoQの還元型に抗酸化作用があることを初めて見出す。
1972年 イタリアのGian Paolo Littarruとカール・フォルカース教授は、心疾患患者にはCoQ-10が不足していることを立証した。
1974年 日本でCoQ10が心筋代謝改善薬として発売される。
11970年 日本の化学会社がCoQ-10の工業的量産合成技術を完成し 、臨床に必要なボリュームを得ることに成功した。
1978年 Peter Mitchellはラットの肝臓ミトコンドリアを用い、体内エネルギー生産過程の電子伝達系におけるCoQ-10の役割を含む、 化学的エネルギー交換の仕組みを解明し、ノーベル化学賞を受賞した。
1980年 高性能な液体クロマトグラフィーによって血液や組織中のCoQ-10量測定が可能となったこともあり、CoQ-10の有用性に関する多くのの臨床例が報告された。 スウェーデンのLars ErsnerはCoQ-10が抗酸化物質として、フリーラジカルスカベンジャーとなる研究を発表したことが注目された。
2003 年 鐘淵化学工業と太陽化学は、CoQ10の新型を共同開発したと発表した。水溶性の食品素材に配合できる水溶性粉末。含有量は40%。従来型は脂溶性物質のため、水に溶けやすい粉末状にしても含有量は5%程度と低かった。
CoQの種類と化学構造
CoQにはCoQ6~10などがあり、ヒト、動物、植物など多くの生物にみられるが、ヒトで見られるのはほとんどがCoQ10。動物ではその細胞の中にあるミトコンドリアに多く見られ、植物では葉緑体の中に含まれており、生物にとって不可欠な物質。必要なエネルギーを効率よく産出するための補酵素であり、免疫機能を高める働きをしている。 CoQ10は人間の体内の全ての細胞に存在するが、その濃度は組織により異なる。
CoQは、キノンと、そこから伸びている種々の長さのイソプレン単位よりなる側鎖を持つキノン誘導体。CoQの後ろの数字は、イソプレンの個数を意味している。通常、動物ではイソプレン10単位を含有する。
黄色からオレンジ色の結晶状の物質で、匂いはなく水にほとんど溶けない特徴がある。ミトコンドリア内膜の脂質コアに存在し、電子伝達鎖中で機能する。非タンパク質性有機分子で、しばしば水溶性ビタミンのリン酸化誘導体である。特に多量のエネルギーが必要な心臓、血管、筋肉に集中的に存在しており、人間が生命活動を営むために必要なエネルギーを作り出すのに重要な機能を持っている。
特に心臓には多量のCoQ10が含まれているため、不足すると心臓の機能が低下してしまう。その結果、足のむくみ、動悸、息切れ、疲労感、低血圧、心疾患の悪化などさまざまな疾病を引き起こすと考えられている。その他にもCo
コエンザイム(CoQ)の歴史
1957年 米国のフレデリッククレーンは、牛の心筋ミトコンドリアから可逆的に酸化還元を受け、ATP産生に不可欠なキノンを分離した。 同年にイギリスのモートン教授らは、ビタミンA欠乏症のラット肝臓から単離され、広く生物界に分布しているCoQ10を抽出し、ユビキノンと名づけた。
1958年 ユビキノンとコエンザイムQが同一であることが明らかになり、米国ニュジャージー州Merck社のカール・フォルカース教授達によって詳細な化学構造が定義され、化学生産が理論的に可能となった。
1960年 日本人Yuichi Yamamuraのグループにより虚血性心疾患の治療に世界ではじめてCoQ-7が使用された。
1966年 TappelらがCoQの還元型に抗酸化作用があることを初めて見出す。
1972年 イタリアのGian Paolo Littarruとカール・フォルカース教授は、心疾患患者にはCoQ-10が不足していることを立証した。
1974年 日本でCoQ10が心筋代謝改善薬として発売される。
11970年 日本の化学会社がCoQ-10の工業的量産合成技...