「障害者福祉施策の概要について述べよ。」
我が国の障害者施策の憲法と言われる「障害者基本法」が制定されたのは、1993年である。これは、1970年に制定された「心身障害者対策基本法」を社会経済情勢に対応して内容・名称等を一部改正したものである。
「障害者基本法」の概要は、第1条「この法律は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて障害者の福祉を促進することを目的とする。」とあり、この法律の目的が述べられている。
続く第2条は「この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」とあり、障害者の定義を述べている。
第3条には「すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。」とあり、この法律の基本理念を述べている。
障害者基本法は全26条から成っており、先に述べたものの他に、障害者福祉について国民の理解を得る為に12月3日~9日を「障害者週間」に設定し、政府・都道府県・市町村は「障害者基本計画」を策定せねばならない等の内容を規定している。
また、障害者福祉に関する基本的施策は11分野に分けられており、①医療、②介護等、③教育、④職業相談等、⑤雇用の促進等、⑥住宅の確保、⑦公共的施設のバリアフリー化、⑧情報の利用におけるバリアフリー化、⑨相談等、⑩経済的負担の軽減、⑪文化的諸条件の整備等と規定されている。
障害者福祉施策について、「身体障害者福祉」、「知的障害者福祉」、「障害児福祉」、「精神障害者福祉」に分けてまとめる。
「身体障害者福祉」
身体障害者福祉の目的は、身体障害者福祉法の第1条に規定されている。「この法律は、障害者自立支援法 (平成17年法律第123号)と相まつて、身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もつて身体障害者の福祉の増進を図ることを目的とする。」とあり、身体障害者の人間としての尊厳について触れた内容である。
第2条では「すべて身体障害者は、自ら進んでその障害を克服し、その有する能力を活用することにより、社会経済活動に参加することができるように努めなければならない。」 と規定し、身体障害者自身による自助努力を必要とする事を定めている。
同条第2項では「すべて身体障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする。」として、リハビリテーションを促している。
身体障害者福祉施策において、対象者に身体障害者手帳の交付を行っている。交付を受けた者に対して、在宅及び施設サービスを通して社会参加を行うこととしている。
在宅サービスとして、身体障害者居宅介護等事業(ホームヘルプサービス)、身体障害者デイサービス事業、身体障害者短期入所事業(ショートステイ)、日常生活用具の給付等がある。
また、施設サービスとしては、肢体不自由者更生施設、視覚障害者更生施設、聴覚・言語障害者更生施設、内部障害者更生施設等の「更生施設」、身体障害者療護施設、身体障害者福祉ホーム等の「生活施設」、授産施設、身体障害者福祉工場等の「作業施設」、更には地域利用施設が4
「障害者福祉施策の概要について述べよ。」
我が国の障害者施策の憲法と言われる「障害者基本法」が制定されたのは、1993年である。これは、1970年に制定された「心身障害者対策基本法」を社会経済情勢に対応して内容・名称等を一部改正したものである。
「障害者基本法」の概要は、第1条「この法律は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて障害者の福祉を促進することを目的とする。」とあり、この法律の目的が述べられている。
続く第2条は「この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」とあり、障害者の定義を述べている。
第3条には「すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。」とあり、この法律の基本理念...