現代社会と法
日本の法律における「和の構造」
Ⅰ 「和の構造」をどう考えたらよいのだろうか?
私は社会学部であるが、「和の構造」というわが国独特の社会文化構造は講義の中で特に印象に残ったことばであった。情けを媒介として、自己を抑制してすり寄るものにはご褒美を与えるが、そうでない者は和を乱したものとして社会の周縁部に張り付ける、という社会統制と権益分配のシステムが「和の構造」だが、
現代社会と法
日本の法律における「和の構造」
Ⅰ 「和の構造」をどう考えたらよいのだろうか?
私は社会学部であるが、「和の構造」というわが国独特の社会文化構造は講義の中で特に印象に残ったことばであった。情けを媒介として、自己を抑制してすり寄るものにはご褒美を与えるが、そうでない者は和を乱したものとして社会の周縁部に張り付ける、という社会統制と権益分配のシステムが「和の構造」だが、それは経験的にも小学校や中学校の教師と生徒の関係に象徴されていたように思える。そこで、「憲法モデル」としての社会文化構造(国家の目標ないしその至上価値を個人の尊厳の実現におき、それを達成するための手段として、基本的人権の尊重ならびに民主的ルールによる問題解決と権益の配分ならしめる社会構造)への移行の必要があるわけだが、いったい個人レベルにおいてはどのようなアプローチを試みたらよいのだろうか?という視点から今回のレポートを綴ってみたいと思う。
ところで、先日、たまたま立ち寄った書店で、今となってはあの受験戦争も一年前の過去となってしまったが、小論文の入試問題集と呼ばれるものを目にした。その中で次のような問題を見つ...