社会科新設の目的
1945年8月わが国はポツダム宣言を受諾し、降伏し、アメリカを中心とする連合軍の占領下に置かれることになった。日本政府は教育について根本的な改革をせまられ、GHQ主導による教育改革を行うことになる。
社会科の有用性
以上に挙げた社会科新設の目的を踏まえ、現在の社会科の有用性についてあげてみよう。まず、「社会生活を理解するための相互依存の関係」を養うことについて考察していく。
社会科新設の目的
1945年8月わが国はポツダム宣言を受諾し、降伏し、アメリカを中心とする連合軍の占領下に置かれることになった。日本政府は教育について根本的な改革をせまられ、GHQ主導による教育改革を行うことになる。GHQは日本政府に対して次の4点を指示した。①軍国主義、極端な国家主義的イデオロギーを禁止し、平和と責任を重んじる公民を養成する新科目の準備、②教員関係者の調査、除外、認可、③国家神道、神社神道に対する政府の保護廃止、④修身、日本歴史、地理の停止を出し、この三教科の授業が停止された。文部省内では自主的に修身に替わる、統合社会科に近い性質を持った公民科を新設していく動きがあったものの、実施されるには至らなかった。文部省と民間情報教育局の間の協議により、地理や歴史を統合した社会科新設の方針が打ち出されたのである。
1947年3月『学習指導要領一般編』において、新設された社会科の目的を「わが国民の生活から見て、社会生活についての良識と性格とを養うこと」とし、この目的を達するために、終身・公民・地理・歴史を融合した教科となった。同年5月に『学習指導要領社会科編Ⅰ』が出され、社会生活...