私にとってよいと思われる授業とは、一言で言うならば『大人になっても忘れない授業』である。このように考えたのは私自身の経験に基づいている。中学2年生のときに地理の授業で行った京都についての調べ学習のおかげで、10年たった今でも京都は地図が無くても歩き回ることができ、歴史についてもいまだに忘れていない。これこそが学習の成果なのではないかと感じたためである。
それでは『大人になっても忘れない授業』とはどうあるべきなのだろうか。学習活動の仕方という観点から考えてみようと思う。
第一に「体験する学習」が挙げられるだろう。やはりただ講義を聴くという受動的な授業授業よりも、生徒自身が能動的に行う方が身につくだろう。『世界でいちばん受けたい授業』1)では「シムシティ」という都市を作り出すパソコンゲームを生徒にプレイしてもらい都市の発展の仕方を学んだとのことである。私が「シムシティ」を使って授業をするなら、生徒一人一人にプレイしてもらうのではなく、生徒全員でひとつの都市を作り上げようと思う。クラスを小さな議会として、生徒一人一人は議員という役割を与え、都市をどうつくるか全員で計画し、そのとおりに実...