資料2
今後の教員給与の在り方について
(答申 (案))
平成19年 月 日
中央教育審議会
目次
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ はじめに 1
‥‥‥‥ 第一章 教員給与をはじめとした処遇の在り方についての基本的な考え方 3
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 第二章 教員の校務と学校の組織運営体制の見直し 5
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1.教員の校務と学校事務の見直し 5
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2.学校の組織運営体制の見直し 6
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3.学校の指導体制の充実 7
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 第三章 メリハリある教員給与の在り方 8
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1.優秀な人材の確保 8
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2.教員の給料の見直し 9
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3.教職調整額の見直し 10
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4.諸手当等の見直し 12
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5.教員評価と処遇への反映 13
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 第四章 教員の勤務時間・勤務体系の在り方 15
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1.教員の勤務時間の適正化 15
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2.教員の勤務時間の弾力化 15
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3.部活動に係る勤務体系等の在り方 16
- 1 -
はじめに
中央教育審議会は、平成15年5月の「今後の初等中等教育改革の推進方策に
ついて」の諮問を受け、学校教育に係る諸制度の在り方について審議を進めてき
た。また、平成18年6月に公布・施行された「簡素で効率的な政府を実現する
ための行政改革の推進に関する法律(行革推進法 」第56条第3項において、)
「政府は、学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材
確保に関する特別措置法の廃止を含めた見直しその他公立学校の教職員の給与の
在り方に関する検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年4月を目
途に必要な措置を講ずるものとする」とされた。これを受け、公立学校の教職員
の給与の在り方について専門的な調査審議を行うため、平成18年7月、中央教
育審議会初等中等教育分科会の下に、教職員給与の在り方に関するワーキンググ
ループが設置された。
教職員給与の在り方に関するワーキンググループでは、都道府県・市町村の教
育長協議会、小学校・中学校・高等学校の関係者、PTA団体、教職員団体など
からのヒアリングを行い、公立学校の「教員勤務実態調査」暫定集計、教員の職
務や給与評価制度等に関する「教員意識調査 ・ 保護者意識調査 「諸外国の」「 」、
」 、 、 教員給与に関する調査 の結果などを踏まえつつ 公立学校の教員給与の在り方
教員の校務と学校事務の見直し、学校の組織運営体制の見直し、教員の勤務時間
の弾力化等について、幅広い観点から審議を行ってきた。これらの広範な審議を
踏まえ、このほど本答申をとりまとめたものである。
本答申は、全体を四章構成としている。第一章においては、学校や教員を取り
巻く環境の変化を踏まえて、教員給与をはじめとした処遇の在り方についての基
本的な考え方を提唱した。これを踏まえ、第二章において、教員が子どもたち
資料2
今後の教員給与の在り方について
(答申 (案))
平成19年 月 日
中央教育審議会
目次
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ はじめに 1
‥‥‥‥ 第一章 教員給与をはじめとした処遇の在り方についての基本的な考え方 3
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 第二章 教員の校務と学校の組織運営体制の見直し 5
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1.教員の校務と学校事務の見直し 5
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2.学校の組織運営体制の見直し 6
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3.学校の指導体制の充実 7
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 第三章 メリハリある教員給与の在り方 8
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1.優秀な人材の確保 8
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2.教員の給料の見直し 9
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3.教職調整額の見直し 10
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4.諸手当等の見直し 12
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 5.教員評価と処遇への反映 13
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 第四章 教員の勤務時間・勤務体系の在り方 15
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1.教員の勤務時間の適正化 15
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2.教員の勤務時間の弾力化 15
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 3.部活動に係る勤務体系等の在り方 16
- 1 -
はじめに
中央教育審議会は、平成15年5月の「今後の初等中等教育改革の推進方策に
ついて」の諮問を受け、学校教育に係る諸制度の在り方について審議を進めてき
た。また、平成18年6月に公布・施行された「簡素で効率的な政府を実現する
ための行政改革の推進に関する法律(行革推進法 」第56条第3項において、)
「政府は、学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材
確保に関する特別措置法の廃止を含めた見直しその他公立学校の教職員の給与の
在り方に関する検討を行い、平成18年度中に結論を得て、平成20年4月を目
途に必要な措置を講ずるものとする」とされた。これを受け、公立学校の教職員
の給与の在り方について専門的な調査審議を行うため、平成18年7月、中央教
育審議会初等中等教育分科会の下に、教職員給与の在り方に関するワーキンググ
ループが設置された。
教職員給与の在り方に関するワーキンググループでは、都道府県・市町村の教
育長協議会、小学校・中学校・高等学校の関係者、PTA団体、教職員団体など
からのヒアリングを行い、公立学校の「教員勤務実態調査」暫定集計、教員の職
務や給与評価制度等に関する「教員意識調査 ・ 保護者意識調査 「諸外国の」「 」、
」 、 、 教員給与に関する調査 の結果などを踏まえつつ 公立学校の教員給与の在り方
教員の校務と学校事務の見直し、学校の組織運営体制の見直し、教員の勤務時間
の弾力化等について、幅広い観点から審議を行ってきた。これらの広範な審議を
踏まえ、このほど本答申をとりまとめたものである。
本答申は、全体を四章構成としている。第一章においては、学校や教員を取り
巻く環境の変化を踏まえて、教員給与をはじめとした処遇の在り方についての基
本的な考え方を提唱した。これを踏まえ、第二章において、教員が子どもたちに
向き合い、きちんと指導する時間を確保することができるよう、教員の校務、学
校事務と組織運営体制の見直しを行うための具体的方策について提言を行った。
第三章においては、教員が適切に評価され、教育活動が活性化されるよう、メリ
ハリある教員給与の在り方について具体的な提言を行った。最後に、第四章にお
いては、教員の時間外勤務の状況を改善するため、積極的に時間外勤務の縮減に
取り組むことを提唱した。
今後、本答申を踏まえ、教育の質の向上に資するような、教員給与の在り方の
見直しが着実に推進されることを強く期待したい。
なお、教職調整額の見直しや1年間の変形労働時間制の導入については、現段
階では意見の集約にまで至ってはいないが、本答申に示された意見を踏まえ、今
- 2 -
後更に専門的・技術的な検討を行い、教育現場の実態に即した制度を構築してい
くことを期待したい。
- 3 -
第一章 教員給与をはじめとした処遇の在り方についての基本的な
考え方
○ 近年、我が国の社会は、グローバル化、情報化、少子化、高齢化など、社会構
造の大きな変革期を迎えており、このような時代にあって、一人一人の国民の人
格形成と国家・社会の形成者の育成を担う学校教育の重要性はますます高まって
きている 「教育は人なり」といわれるように、学校教育の成否は教員の資質、。
能力や熱意に負うところが極めて大きく、教員は子どもたちの心身の発達に関わ
り、その人格形成に大きな影響を与える重要な責任を持っている。
○ 社会の価値観の多様化や地域や家庭の教育力の低下など、近年の学校を取り巻
く環境の変化の中で、学校教育に対する過度な期待や学校教育が抱える課題の一
層の複雑化・多様化が進んできている。このような中、学校の管理運営や外部対
応に関わる業務が増えてきており、結果として教員に子どもたちの指導の時間の
余裕がなくなってきている。
このような状況を踏まえ、教員の職務について見直しを行い、それぞれの職に
応じた役割分担の明確化を図るとともに、学校事務の軽減・効率化又は事務体制
の強化を図ることなどにより、教員が子どもたちの指導により専念できるような
環境を整備していくことが必要である。
さらに、学校を取り巻く環境の変化により、学校運営に係る業務が増大してき
ていることを踏まえ、新たな職の設置も含めて学校の組織運営体制の見直しを図
ることにより、学校運営の効率化を進めていくことも必要である。
○ このような教員の職務の見直しや新たな職の設置を踏まえつつ、教員が、教員
としての使命感や誇り、熱意を持って子どもたちの指導を行っていくことができ
るよう、教員の職務と責任の特殊性に応じて適切に給与が定められ、処遇されな
ければならない。
このためには、まず、教員という職業が魅力あるものとなり、教員に優秀な人
材が確保されるよう、やりがいのある職務内容とし、その職務に合致した勤務形
態にするとともに、教員の給与の一定程度の水準が安定的に確保され、安心して
教育活動に取り組むことができるようにすることが必要である。
また、教員が適切に評価され、教員の士気が高まり、教育活動が活性化されて
いくためにも、それぞれの職務に応じてメリハリを付けた教員給与にしていくこ
とが必要である。
さらに、教員一人一人の能力や業績を評価し、教員に意欲と自信を持たせるよ
う、適切な教員評価の構築に取り組み、指導力や勤務実績に優れた教員を適切に
評価できるようにし、その実施状況を踏まえつつ、評価結果を任用や給与上の措
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置などの処遇に適切に反映していくことが必要である。
一方、大多数の教員が懸命に職務に従事している反面、一部に指導力不足教員
や不適格教員などが存在することも事実であり、昨今、このような教員に対する
国民の視線はますます厳しいものとなっている。このため、教員全体への信頼性
を向上させるためにも、このような指導力不足教員等に対しては、研修の実施等
人事管理システムを厳格に適用するとともに、相応の処遇とするよう毅然とした
対応をすることも必要である。
○ 学校を取り巻く環境の変化に応じて、教員が対応すべき課題の複雑化・多様化
が進み、これにより教員の職務負荷が増大している中で、文部科学省が平成18
年度に実施した教員勤務実態調査暫定集計によれば、恒常的な時間外勤務の実態
が明らかになっている。
このような状況を踏まえ、教員の職務の見直しや学校事務の軽減・効率化によ
って教員の時間外勤務の縮減を可能とする実効性のある措置を講じるとともに、
教員の勤務態様の特殊性等を踏まえつつ、教員の勤務時間の弾力化を進めていく
ことが必要である。
、「 」 、 、 ○ 今回の報告のねらいは 学校教育の一層の質の向上 にあり そのためには
学校現場の実情を踏まえながら、上述のように、教員の職務の在り方の見直し、
事務作業の軽減・効率化、学校事務体制の強化、学校の組織運営体制及び指導体
制の整備、適切な教員評価の実施と処遇への反映、指導力不足教員等に対する人
事管理システムの厳格な運用並びに勤務時間の弾力的運用などに総合的に取り組
む中でメリハリを付けた教員給与の見直しを行っていくことが必要である。
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第二章 教員の校務と学校の組織運営体制の見直し
1.教員の校務と学校事務の見直し
○ 教員勤務実態調査暫定集計の結果によれば、7月、9月、10月、11月の通
常期の小中学校の教諭の残業時間が1日あたり平均約2時間となるなど、昭和4
1年の勤務状況調査の結果と比べ、残業時間が増加しており、まずはこの事実を
認識する必要がある。その上で職務内容を分析すると、子どもの指導に直接かか
わる業務以外の、学校経営、会議・打合せ、事務・報告書作成等の学校の運営に
かかわる業務や保護者・PTA対応、地域対応等の外部対応といった業務に多く
の時間が割かれている。教育の質の向上を図っていくには、何よりも...