政治的無関心の三形態についての分析

閲覧数10,705
ダウンロード数2
履歴確認

    • ページ数 : 10ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    政治的無関心の三形態についての分析
    はじめに
     私は政治に関心をもっているが、なかでも今最も興味があるのは政治的無関心である。政治的無関心とは様々なタイプに分類できるが、中でも
     屈折的無関心:本当は政治に参加したいという欲求を持っているが、自分が参加しても大した影響は及ぼせないと考えて政治に距離を置いている状態。
     伝統型無関心:政治的な情報・知識を持っておらず、政治は自分と無縁なものと考えるタイプ。
    現代型無関心:政治を他人事のようにとらえ、政治に関連したいという気持ちをなくしているタイプ。非行動的で傍観者的な態度。
     
     などがあげられる。国民はどのような政治的無関心に陥っているのか。本調査で分析する。また、上記のように類型はいろいろあるが、本調査ではそこまで調べられないため割愛する。
     そして、政治的無関心に陥っている人はどのような環境の人が多く、どのような行動を起こす傾向があるのか。本調査で分析していきたい。
     なお、金沢調査のデータは2007年7月29日の参議院議員選挙の約1ヶ月後の8月27日から1週間後の9月3日までの間に本選挙の意識調査を金沢市の有権者を対象に実施した。
    金沢調査の概要
    母集団
    金沢市選挙人名簿
    金沢市の有権者36万人から無作為に抽出した1500人を対象
    回収方法
    「郵送」
    回収率
    サンプル数:1500人
    回収票数:771人
    有効回収率:51.4%
    1.本調査で求める事柄
    (1)なぜ政治的無関心は起こるのか。
    (2)政治的無関心に陥っている人はそれぞれに際立った際は見られるか。またそこから映し出される日本の政治的無関心の問題点は何か。
    2.分析
    (1)‐1 概要
     まず政治的無関心の概要を知るためにQ8の棄権理由を使用する。
    [表1] 棄権した人の棄権理由
    棄権した人
    パーセント
    用事
    35
    11.9%
    病気
    21
    7.1%
    面倒
    15
    5.1%
    無関心
    28
    9.5%
    情報不足
    25
    8.5%
    選挙のしくみ不明
    5
    1.7%
    投票しても結果同じ
    23
    7.8%
    無風
    10
    3.4%
    無期待
    53
    18.0%
    変わらない
    62
    21.1%
    その他
    17
    5.8%
    294
    100%
    政治的無関心である屈折的無関心、伝統的無関心、現代型無関心は上の表でおのおの
     ①屈折的無関心:「投票しても結果同じ」「無風」「無期待」「変わらない」の4つ
           回答数148(多重回答可) 全体の回答% 50.3%
    ②伝統的無関心:「情報不足」「選挙のしくみ不明」の2つ
           回答数30(多重回答可) 全体の回答% 10.2%
    ③現代型無関心:「面倒」「無関心」の2つ
           回答数43(多重回答可) 全体の回答% 14.6%
    に分けられる。これからの分析・考察はQ8の棄権理由でどこに回答したかで政治的無関心の3つの形態に分けたものを使う。なお、用事、病気、その他は政治的無関心に関連がないため省くとする。
    (1)-2こるのか
     まず、屈折的無関心は何によるものなのか。説明変数に屈折的無関心、被説明変数にQ18年齢を掛け合わせてみる。そしてカイ2乗検定・クラマーのV係数を用いる。
    [表2]屈折的無関心と年齢のクロス集計表
    年齢
     
     
    20-29歳
    30-39歳
    40-49歳
    50-59歳
    60-69歳
    70-79歳
    80歳以上
    NA
    合計
    屈折的
    無関心
    度数
    11
    20
    20
    24
    7
    6
    3
    1
    92

    20.0%
    22.0%
    19.8%
    13.4%
    4.4%
    4.6%
    5

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    政治的無関心の三形態についての分析
    はじめに
     私は政治に関心をもっているが、なかでも今最も興味があるのは政治的無関心である。政治的無関心とは様々なタイプに分類できるが、中でも
     屈折的無関心:本当は政治に参加したいという欲求を持っているが、自分が参加しても大した影響は及ぼせないと考えて政治に距離を置いている状態。
     伝統型無関心:政治的な情報・知識を持っておらず、政治は自分と無縁なものと考えるタイプ。
    現代型無関心:政治を他人事のようにとらえ、政治に関連したいという気持ちをなくしているタイプ。非行動的で傍観者的な態度。
     
     などがあげられる。国民はどのような政治的無関心に陥っているのか。本調査で分析する。また、上記のように類型はいろいろあるが、本調査ではそこまで調べられないため割愛する。
     そして、政治的無関心に陥っている人はどのような環境の人が多く、どのような行動を起こす傾向があるのか。本調査で分析していきたい。
     なお、金沢調査のデータは2007年7月29日の参議院議員選挙の約1ヶ月後の8月27日から1週間後の9月3日までの間に本選挙の意識調査を金沢市の有権者を対象に実施した。...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。