ここ数年、日本では「純愛」という設定で制作された映画やドラマがヒットしている。代表的な物で言えば、映画で大ヒットした「世界の中心で愛をさけぶ」や、韓流ブームの産みの親というべきドラマ「冬のソナタ」などが挙げられる。では、なぜこういった純愛ものと呼ばれる作品がヒットしているのか、韓国の映画「私の頭の中の消しゴム」と「僕の彼女を紹介します」の二作品を比較・検討していきながら考えていこうと思う。
まずは「私の頭の中の消しゴム」から見て行こうと思う。この映画は、日本で作られたドラマを基に制作されたものである。ヒロインである社長令嬢のスジンが、偶然出会った大工のチョルスへの想いを寄せるようになる。チョルスはスジンの父の下で働いている大工で、スジンは父にチョルスとの交際を反対される。しかし二人は付き合うようになり、そして結婚するのだが、スジンは若年性のアルツハイマー病だと宣告される。スジンはこの病気によって徐徐に記憶を失っていき、最終的には夫であるチョルスのことも忘れてしまうのである。
「純愛」とは、読んで字のごとく「純粋な愛、ひたすらな愛情」という意味なのだが、この映画にぴったりと当てはまる。幸...