刑法総論 責任形式『故意』

閲覧数2,719
ダウンロード数10
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「刑法総論」
    犯罪論-責任形式
    『故意』
    問題)故意について説明しなさい。
    1.故意の体系的地位
    刑法38条は故意とは、「犯罪を犯す意思」であると規定している。また、過失犯の処罰
    は法律に特別の規定がある場合に限られ、処罰の対象は原則として故意犯であるという「故
    意犯処罰の原則」を宣言している。これにより、過失犯処罰の特別の規定がない場合には
    構成要件は全て故意犯を定めたものと解釈することを要する。
    故意の体系的地位については、行為無価値(規範違反説)の立場からは、意図的に行為
    したほうが違法性が大きいことから、故意は構成要件要素であり、かつ違法性要素である
    とする。結果無価値(法益侵害説)故意でも過失でも侵害されたものは同じなので、違法
    性の問題にはならないとして、故意は構成要件要素かつ責任要素であるとする。
    通説的理解によれば、殺人罪と過失致死罪のように、構成要件は既に故意か過失かで区
    別されるから、故意・過失はまず構成要件要素である。さらに、伝統的理解によれば、故
    意は責任要素でもある。このように解しても、未遂犯の場合には、未だ法益侵害の結果が
    発生していないので故...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。