アザクラウンとは一般的には環状ポリアミンと呼ばれ、以下に示すようにそれぞれクラウンエーテルの酸素原子(O)を窒素原子(N)に換えた化合物である。構造的には共にクラウンエーテルと非常によく似ているがその機能は非常に異なる。それらを挙げてみると、
? アザクラウンは、その構成原子としてソフトな塩基である窒素原子(N)をドナーとして持っているため、ソフトな酸である遷移金属や重金属のイオンと錯体を形成しやすいが、クラウンエーテルはハードな酸素原子(O)を塩基として持つので、ハードな金属イオン(アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオン)と錯体を形成する。
? アザクラウンに存在するN原子はそれの持つ非共有電子対のために強い塩基性を示し、そのため酸性-中性水溶液中で、クラウンエーテルには見られないようなプロトン化が起こり環内に捕捉するので、ハロゲンや酸素原子などプロトンと水素結合能を持つアニオンとイオン対錯体を形成する。
? アザクラウンはその遷移金属錯体を形成することで、酵素触媒活性などポルフィリン、ポリペプチド、生体ポリアミンといったような生体含窒素分子と共通する性質を持つ。
などがあり、大きく分けて??のようなキャリア及び受容体機能と?のような生体機能モデル及び触媒機能の2つになる。以下にこれらの機能についてもう少し詳しく紹介する。
「AzacrownとThiacrownについて」
アザクラウンとは? 及びその機能
アザクラウンとは一般的には環状ポリアミンと呼ばれ、以下に示すようにそれぞれクラウンエーテルの酸素原子(O)を窒素原子(N)に換えた化合物である。構造的には共にクラウンエーテルと非常によく似ているがその機能は非常に異なる。それらを挙げてみると、
アザクラウンは、その構成原子としてソフトな塩基である窒素原子(N)をドナーとして持っているため、ソフトな酸である遷移金属や重金属のイオンと錯体を形成しやすいが、クラウンエーテルはハードな酸素原子(O)を塩基として持つので、ハードな金属イオン(アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオン)と錯体を形成する。
アザクラウンに存在するN原子はそれの持つ非共有電子対のために強い塩基性を示し、そのため酸性-中性水溶液中で、クラウンエーテルには見られないようなプロトン化が起こり環内に捕捉するので、ハロゲンや酸素原子などプロトンと水素結合能を持つアニオンとイオン対錯体を形成する。
アザクラウンはその遷移金属錯体を形成することで、酵素触媒活性などポルフィリン、ポリペプチド、生...