血液のガンといわれるエイズ(後天性免疫不全症候群)の病原ウイルスがHIV(ヒト免疫不全ウイルス)で、これは遺伝子としてRNAをもち、宿主に侵入して逆転写酵素によりRNAからDNAへと通常とは逆向きに遺伝情報を転写するレトロウイルスであることが明らかにされてきた。それ以来研究が進み、HIVウイルスの遺伝子構造として外側にエンベロープと呼ばれる糖蛋白質(gp120とgp41)が存在すること、gag遺伝子部分はp17、P24などの構造蛋白質をコードしていること、pol遺伝子部分はプロテアーゼ、逆転写酵素、インテグラーゼをコードしていること、env遺伝子部分はエンベロープをコードしており、ウイルス株ごとにアミノ酸配列が著しく異なっていてHIVは非常に速く変異すること及びそのライフサイクルに関する基礎的知見が解明されてきた。そこでこれらの知見に基づいて、各種の作用点をもつ抗エイズ薬の研究開発が展開され、日本では現在以下に示すようなものがエイズ治療薬として承認されている。
超分子設計特論レポート
エイズ治療薬としてのHIVプロテアーゼ阻害剤の開発について
エイズ及び現在使用されている抗HIV薬について
血液のガンといわれるエイズ(後天性免疫不全症候群)の病原ウイルスがHIV(ヒト免疫不全ウイルス)で、これは遺伝子としてRNAをもち、宿主に侵入して逆転写酵素によりRNAからDNAへと通常とは逆向きに遺伝情報を転写するレトロウイルスであることが明らかにされてきた。それ以来研究が進み、HIVウイルスの遺伝子構造として外側にエンベロープと呼ばれる糖蛋白質(gp120とgp41)が存在すること、gag遺伝子部分はp17、P24などの構造蛋白質をコードしていること、pol遺伝子部分はプロテアーゼ、逆転写酵素、インテグラーゼをコードしていること、env遺伝子部分はエンベロープをコードしており、ウイルス株ごとにアミノ酸配列が著しく異なっていてHIVは非常に速く変異すること及びそのライフサイクルに関する基礎的知見が解明されてきた。そこでこれらの知見に基づいて、各種の作用点をもつ抗エイズ薬の研究開発が展開され、日本では現在以下に示すようなものがエイズ治療薬として承認されてい...