薬物代謝と相互作用について
私は薬の副作用が人よりも大きい。だからといって特にアレルギー体質というわけでもない。しかし、いつも手足のしびれや目のくらみに苦しむことが多い。そのたびに与えられた薬の摂取量よりも少し少なくしたりしなければならない。授業で学んだように肝臓は心胆出量の4分の1から3分の1を占め薬物代謝器官として最も重要な役割を果たしている。そして、それらは肝臓に存在する酵素により行われ、薬物を親水性物質にする反応が行われる。つまり、体内に取り込まれた薬物の多くは薬物代謝酵素によって代謝を受け、ほとんどの場合は不活性化され尿中に排泄される。しかし、ある種の薬物は逆に代謝を受け活性化体に変換されることにより”くすり”としての作用がでる。ところが別の薬物では代謝を受けることにより”毒”となることもあり、発癌作用をはじめとする様々な有害作用を引き起こすことがある。
では、我々の身近にある例、薬物により薬物代謝酵素の量が変化するとどういう事態になるのか。じつは、私の祖父はガンになり、抗がん剤治療を受けていた。抗ガン剤は字のごとくガンを治療する薬であるが、ある種の抗ガン剤を長期にわたって投与していると徐々に薬の効きが悪くなり、以前と同じ効果を得るには以前よりも大量の薬が必要となった。すなわち耐性が生じたのだ。そして最終的には、抗がん剤の限界量まで達し、もう摂取できなくなってしまうのである。この原因の一つに薬物代謝酵素があると思う。詳しく言えば、この抗ガン剤は以前よりもすぐに細胞内から消えてしまうために効果が小さくなるのであろう。そして、抗がん剤は、がんの種類によって世界的標準治療薬が数多くあり、発生部位、組織型など、がんの種類によって異なる抗がん剤で治療を行う。
抗がん剤の使用量も、人により相異なり、その差は10倍にも及ぶため、適量を丹念に探す作業が必要であり、そのため加減は非常に難しいとされているのだ。それなのに、私の祖父ははじめから大量の抗がん剤を摂取せざるをえず、すぐに効かなくなってしまった。
抗がん剤は、薬剤耐性という問題があり、どの薬もいつかは効かなくなる。したがって、ガン社会と呼ばれている現代では、抗がん剤以外の治療法や、治療方法の選択肢数が寿命を決めるといってよいだろう。つまり、あたらしい画期的な治療法が求められる。
一方、日本国内において承認されていない、いわゆる「国内未認可薬」の抗がん剤を輸入して治療に使用する場合がある。だが、この場合、保険が適用されない自由診療となり、医療費の全額を自己負担で支払わなければならなくなるのだ。自由診療は、厚生労働省が認めていない診療だけに保険が適用されないばかりか、全ての診療が自己負担となってしまう。
そしてもう1つ問題となっているのは抗がん剤の副作用だ。
抗がん剤治療の代表的な副作用は、吐き気や脱毛、骨髄抑制などがある。祖父も前述したものに加えて、食欲不振にまでおちいり、そして、抗がん剤の心身的な副作用ともいえる、医原性精神疾患、つまり治療後のトラウマに悩まされた。
このような薬、一つにとってみても非常に怖い現実を目の当たりにした私は、薬の重要性を思い知った。
私は、週刊誌、新聞などに「○○の薬を飲めば治った」「△△の薬で強い副作用が出て死亡」など書かれていることを見る。依然、2つ以上の薬を飲んでしまい、病状悪化したという体験を眼にした。薬を2種類以上同時に使用した場合,薬の組み合わせによっては作用が強く出たり、逆に効果が弱くなったり、場合によっては副作用が出やすくなったりすることがある。これ
薬物代謝と相互作用について
私は薬の副作用が人よりも大きい。だからといって特にアレルギー体質というわけでもない。しかし、いつも手足のしびれや目のくらみに苦しむことが多い。そのたびに与えられた薬の摂取量よりも少し少なくしたりしなければならない。授業で学んだように肝臓は心胆出量の4分の1から3分の1を占め薬物代謝器官として最も重要な役割を果たしている。そして、それらは肝臓に存在する酵素により行われ、薬物を親水性物質にする反応が行われる。つまり、体内に取り込まれた薬物の多くは薬物代謝酵素によって代謝を受け、ほとんどの場合は不活性化され尿中に排泄される。しかし、ある種の薬物は逆に代謝を受け活性化体に変換されることにより”くすり”としての作用がでる。ところが別の薬物では代謝を受けることにより”毒”となることもあり、発癌作用をはじめとする様々な有害作用を引き起こすことがある。
では、我々の身近にある例、薬物により薬物代謝酵素の量が変化するとどういう事態になるのか。じつは、私の祖父はガンになり、抗がん剤治療を受けていた。抗ガン剤は字のごとくガンを治療する薬であるが、ある種の抗ガン剤を長期にわたって投...