コミュ変容2:レポート

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    資料紹介

    コミュニケーションの変容
    目的
    普段私たちは、様々な感覚を使って情報を得ている。そして得た情報は、それまでの経験や記憶などと照合され、認知されていく。そうして、認知された内容を人へと伝えることで、情報は次々に伝達されていく。ところが、情報は人から人へ伝達されていく過程で内容の歪みを生じる場合がある。とりわけ、確かな事実が確認されないまま多くの人々に広まっていく流言やデマなどには、その傾向がよく見られる。
    AllportとPostman(1947)は連鎖的再生法(ある情報を人から人へ口伝えで伝達させる)による伝達実験を行い、情報変容の3つの法則を発見した。平均化、強調化、同化あるいは合理化である。平均化とは、情報伝達の過程であまり重要でない部分が消えて、短く要約され、平易になっていくことである。強調化とは、元の文章の特徴が誇張された形に変わることである。同化あるいは合理化とは、内容の取捨選択、あるいは、置換・移入が行われ、全体の内容が個体の認知的枠組みにそった形に再構成されることである。また、Higham(1951)は自我関与(ego-involvement)度の高い情報の方が中性的(neutral)な情報より平均化されにくいことを見出している。
    今回の実験の目的は、自我関与の度合いの高い題材と中性的な題材を用いて、連鎖的再生法による伝達実験を行い、情報変容の法則を検討することである。
    方法
    被験者
    同志社大学文学部心理学科の学生11人が実験に参加した。男子が4人で女子が7人、被験者の平均年齢は男子19,3歳、女子19,1歳だった。
    装置・材料
     今回の実験では、被験者の伝達内容を録音するためにボイスレコーダーを使用した。伝達にかかった時間の測定にはストップウォッチを使用した。
     伝達用の題材を2種類用意した。1つは、被験者の大学生にとって自我関与度の高い話題に関する文章を用意した。もう1つは、自我関与度が特に高くも低くもない話題に関する文章を用意した。両文章とも、1つのまとまった意味をもつ最小単位の節(detail)が50個程度になるようにし、あまり難しくない言葉で構成した。また、話題に対する知識や親しみやすさの程度など自我関与度以外の条件は出来るだけ統制した。
    手続き
     各グループ4人になるように、被験者をA、B、C、3つのグループに分けた。今回の実験では1人足りなかったので、ある被験者に2つのグループにわたって実験に参加してもらった。さらに、便宜上、あるグループが被験者の場合、他のグループが実験者となったため、同じ内容の材料を使うことができず、グループごとに異なる材料を用意した。
     実験を行う前に被験者となるグループに、それぞれ何番目の被験者か伝え、以下に示す教示を与えた。
     「それではこれから行う実験の説明を始めます。実験室には話し手と聞き手のみ入り、それ以外の人は別室で待機してください。部屋の移動は実験者の誘導に従って行ってください。一番の人は、実験者の話をよく聞いて記憶してください。記憶できたら、それをできるだけ正確に二番の人に伝えてください。同様に二番の人は三番の人に、三番の人は四番の人に伝え、最後の四番の人は実験者に伝えてください。ただし、伝え聞かせるのは一回のみで、何度も繰り返したり補足説明をしたりしてはいけません。また、完全に実験が終わるまで、実験室で伝えられた内容を他人と話し合ったりしないでください。最後にこの実験は、記録のためにボイスレコーダーを使用し、録音しますがよろしいですか?よろしければ、録音しやすいよう、はっきりと話

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    コミュニケーションの変容
    目的
    普段私たちは、様々な感覚を使って情報を得ている。そして得た情報は、それまでの経験や記憶などと照合され、認知されていく。そうして、認知された内容を人へと伝えることで、情報は次々に伝達されていく。ところが、情報は人から人へ伝達されていく過程で内容の歪みを生じる場合がある。とりわけ、確かな事実が確認されないまま多くの人々に広まっていく流言やデマなどには、その傾向がよく見られる。
    AllportとPostman(1947)は連鎖的再生法(ある情報を人から人へ口伝えで伝達させる)による伝達実験を行い、情報変容の3つの法則を発見した。平均化、強調化、同化あるいは合理化である。平均化とは、情報伝達の過程であまり重要でない部分が消えて、短く要約され、平易になっていくことである。強調化とは、元の文章の特徴が誇張された形に変わることである。同化あるいは合理化とは、内容の取捨選択、あるいは、置換・移入が行われ、全体の内容が個体の認知的枠組みにそった形に再構成されることである。また、Higham(1951)は自我関与(ego-involvement)度の高い情報の方が中性的(n...

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