手形が偽造された場合において各人が負う責任について(商法)

閲覧数4,305
ダウンロード数12
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    第1 偽造の意義
     1 偽造とは、署名の代行権限を有しないものが、他人の署名を使ってあたかもその他人が手形行為をなしたかのような外観を作出する行為を言う。
     2 偽造は、本人のためにする意思を必要としない点において、無権代理と異なる。すなわち無権限者が機関方式で代理した場合、本人のためにする意思があれば無権代理であり、それがなければ偽造である。もっとも後述のように、今日の判例は偽造について表見責任や手形法8条の類推適用を認めることから、偽造と無権代理との区別は形式的なものとなってきている。
     3 また偽造は、手形債務の内容を決する手形上の記載に他人が無権限で変更を加える「変造」に類似するが、偽造が新たにその署名に基づく手形を作出する行為であるのに対し、変造は本人による有効な手形作出を前提として手形上の記載を変更する行為であるという点が異なる。
    第2 被偽造者(本人)の責任
     1 原則
       手形の偽造がなされた場合、被偽造者が責任を負うかどうかについては手形法・民法上に規定がない。しかし、偽造の場合、本人は自ら署名したわけでもなく、また他人に自己の署名の代行権限を与えたわけでもないので...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。