ローレンツは二人いる

閲覧数2,994
ダウンロード数8
履歴確認

    • ページ数 : 1ページ
    • 全体公開

    タグ

    資料の原本内容

    ローレンツは二人いる!
    しかも業績まで紛らわしい!
    ヘンドリック・ローレンツ(Hendrik Antoon Lorentz 1853-1928) オランダ ルードヴィヒ・ローレンツ(Ludvig Valentin Lorenz 1829-1891) デンマーク
     最近、「ローレンツ・ゲージ」「ローレンツ条件」のことを「ローレンス・ゲージ」「ローレンス条件」と呼ぶ人が増えてきた。 そして、「ローレンツ・ゲージ」などと呼ぶのは間違いである、と言い切る人までが出てきた。
     なぜなら、「ローレンツ変換」や「ローレンツ力」のローレンツ(Lorentz) と「ローレンツゲージ」のローレンツ(Lorenz) は全くの別人で、綴りも少し違うからである。
     彼らの業績をしっかり区別して、日本人が英語で論文を書くときの恥ずかしい綴り間違いも無くそうというわけだ。
     しかし、間違いだ、とまで言われると少し腹が立つ。 私はずっと「ローレンツ・ゲージ」などの呼び名で習ってきたし、そう書いてある教科書の方が多かったし、それで通じていたのだ。 物理に限らなければ、 Lorenzと書いてローレンツと呼ばれている人は幾らでもいる。 彼がローレンスだというなら、サイクロトロンの発明でノーベル賞を取った有名な物理学者 Lawrence はどう読んで彼と区別するつもりだ、などと言いたくなるが、いや済まない、これは大人気ない反論だったな。
     分が悪いことに、物理には「Lorentz-Lorenzの式」というものがあって、これも問題になっている彼らがそれぞれに別々の動機から独立して導いた業績なのだが、昔から「ローレンツ・ローレンスの式」と呼ばれているのだ。
     この勢いではやがて時を待たずに「ローレンスゲージ」という呼び方の方が主流になるだろう。 それで私はこのサイトで最後の抵抗をするのである。 かつてはローレンツと呼ぶ方が主流であったことの生き証人となろう。
    資料提供先→  http://homepage2.nifty.com/eman/relativity/loren.html

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。