アロマセラピー:空気が運ぶ健康
目をつむって、今までに経験した中で最も心地よかった体験を思い出してみましょう。
さて、目を開けて、次の質問に応えてください。その記憶はどんな感覚で構成されていましたか?見たもの、聞いたもの、触れたもの?多くの人は見たものを思い描き、聞いたものを再現したでしょうが、嗅いだ香りを思い出した人は少ないでしょう。なにせ、においは「思い描き」にくいものですから。
逆に、においから何かを思い出すことはよくあります。意識的にある特定のにおいを思い出すことはできなくても、においからはっきりと記憶が引き出されることはあります。香水、食べ物、あるいはサンスクリーンの香りからでも、すっかり忘れていた時代、場所そして感情が記憶の中からよみがえるのです。
嗅覚による連想は健康に影響することがあります。においと思い出される感情は、香りのついたオイルを扱う総合的な健康法アロマセラピーの中で重要な役割を果たします。
「The International Journal of Aromatherapy」に掲載されたロバート・ティッセランド氏(Robert Tisserand)の記事では次のように説明されています。「総合的なアロマセラピーでは通常、2-3%に薄めたエッセンシャルオイルを使ってリラックスするためのマッサージを行います。」
多くの人はどんなマッサージでもリラックスして、落ち着くものだと思うでしょうが、これらのオイルを肌に塗りながらだと、非常に治癒効果があると考えられています。「The International Journal of Aromatherapy」の記事は以下のように指摘しています。「(中略)熟練したアロマセラピストはエッセンシャルオイルの医学的、そして心理学的効果の双方を引き出し、単なるリラックス以上の効果を得ることを目指しています。」心と体がアロマセラピーオイルの芳香に酔いしれているとき、あなたの健康が高められているのです。
Oil Power(オイルパワー)
アロマセラピーオイルを扱う人は、免疫システムを強くして、病気にかかりにくくする効果がオイルにあると主張しますが、この原因は説明されていません。肌から吸収されるオイルもありますし、空気中に漂うオイルの香りは当然鼻から体内に侵入します。
健康によい理由として、オイルに含まれる揮発性のある分子が鼻や肺の粘膜から吸収され、血管に侵入し、体内のさまざまな部分に移動して中枢神経系(CSN)に作用するから、という説があります。ある実験では、動物にローズマリーオイルを嗅がせて(動物の運動量を増やす効果があります)血液を調べたところ、すぐに成分が血液中に現れていることがわかりました。人間を対象とした研究では、ローズマリーオイルを嗅がせてから30分で脳へ流れる血液の量が増えるという結果が出ています。
You're Getting Sleepy(眠くなってきました)
他にも、ラベンダーとネロリのオイルの香りを嗅いだ動物は落ち着き、通常よりも早く眠りに就く(これらのアロマセラピーオイルの鎮静作用を証明しています)ことが実験により明らかになっています。動物の血液を調べたところ、オイルの成分を多く吸収していることがわかりました。
人間を対象とした研究でも同様の結果が出ています。眠るのに睡眠薬を必要とする人たちの寝室にラベンダーの香りを放ったところ、その不眠症患者たちは普段より長い睡眠時間をとることができました。そして、ロバート・ティッセランド氏が指摘するように、「(中略)いくつかのエッセンシャルオイルの香りは、ストレスによる血圧の上昇を抑える効果があるとされています。ネロリ、ナツメグ、バレリアンなどがそうです。」
Feeling Oil Right(オイルで気分よく)
他にもアロマセラピーオイルの効果を立証する研究があります。レモンの香りを嗅いだ人たちは、健康的な気分になったと報告しました。(そして、健康的な気分になれば、おそらく健康状態もよくなるでしょう。)イギリスで行われた研究では、カモマイルオイルは人を前向きな気分にさせることがわかりました。
大事なデートですか?バレリアン、ナツメグ、そしてネロリの香りは、照れる気持ちを抑えて心を落ち着かせるとされています。税金の計算?スイートフェンネルオイルは、電卓で数字をたたく人に仕事をしやすくし、ストレスも軽減する効果があるとされています。いずれにしても、アロマセラピーは健康のために効果的なのです。
資料提供先→ http://www.srnetwork.com/health/herb015.html