トップスポーツレポート第一回

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    「アメリカンフットボール人気の隆盛に見るトリプルミッションモデル」
    本講義で、「勝利」・「普及」・「市場」の3要素が相互に作用しあう「トリプルミッションモデル」の概念を学習したが、今回私はアメリカンフットボールというスポーツを題材に取り上げ、このトリプルミッションモデルが効果的に作用・循環しているか検証していきたいと考えている。
     まずアメリカンフットボール(以下アメフト)におけるトリプルミッション現状を簡単にまとめると以下のようになる。
    ミッション①「勝利」:ワールドカップで日本がアメリカに惜敗
    ミッション②「普及」:タッチフット、リトルリーグの活発化
    ミッション③「市場」:アメフトを題材にした漫画のヒット、アニメ化
    ミッション①の「勝利」から見ていこう。今年の7月に日本でアメフトのワールドカップが開催され、日本はアメリカに次ぐ2位という快挙を成し遂げた。これは、アメフトがメジャーなスポーツであるとはいえない日本にとってまさに快挙である。日本の競技レベルが世界に通用するところまで成長していることが伺えるだろう。
    この強さを直接的に支える要因として、ミッションの②である「普及」が挙がってくる。「普及」に関して言えば、例えばタッチフット(これはタックルの代わりに相手に優しくタッチをするもの)が生み出され、女性も子供もアメフトというスポーツに取っ付きやすくなっている。また、そこでアメフトの醍醐味を知った子供がジュニアのクラブチームに参加し、中高大とアメフトをやっていくケースも少しずつ増えている。事実、私の高校時代の友人でも幼少期からプレーをしている者が少なからずいた。
    また、「普及」を刺激付け、間接的に「勝利」に貢献している要素として「市場」があるが、ここで一番注目すべきは、人気少年漫画誌にアメフトを題材にした漫画が連載され、その漫画がヒットしたことだろう。この漫画はアニメ化もされ、多くの子供に認知、さらには人気を得ている。アメフトの啓蒙に一役買っているのだ。
    このように、アメフトにおけるトリプルミッションは現状として、比較的うまく作用しているように見える。ただし、サッカーのような国民的人気スポーツに比べるとまだまだその循環が拙いのは明確だ。私はそれぞれの要素をもっと相互に補完しあうようにならなければいけないと考えている。現在は「市場」が「普及」と「勝利」を覆うような形になっているが、もっと「勝利」(今後社会人チームではなくプロを期待する)自体がアメフト人口の増加、市場拡大の起爆剤になるべきだし、それによってアメフトというものが「普及」し、反対に日本のアメフトが強くなるべきであると考える。

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