ゴミ問題について一言
既にご存知の通り、8月3日泉北環境整備施設組合(以下泉環)の定例会において、ゴミ焼却炉の建替えが可決されました。 私も議会運営委員長をして泉環に出向していましたので、一連の流れはすべて理解しています。 採決のとき、保留の姿勢を取り退席した議員さんもいましたが、私は、ダイオキシン問題を解消するための建替えであるという点に重きを置き、賛成の立場をとりました。 しかしこの賛成で、すべてを認めたわけではありません。スラグ(最終残査)リサイクルの問題や堺市原田地区の環境問題対策などは、今後とも取組んでいく必要があると考えています。
ゴミ問題は、今や国をあげての問題となり、リサイクルや製造者責任などが叫ばれています。またそれに関して、いろいろな意見があるのですが、今後の対応で確たるものは出てきていません。 今回は、この問題を、少し違った視点で取り上げてみたいと思います。 先日、環境問題に熱心に取組んでいる劇団「往来」の中島桃太郎氏の講演を聴く機会を得ました。その中で、とても印象に残った話しを聞きましたので、紹介致します。 ダイオキシン問題に関して、住民サイドに立って、裁判で争っている弁護士団があり、その方たちは、ゴミ焼却炉建設反対を、全国レベルで展開しようとしているそうです。 そこで中島氏は、その弁護士団のある方に、「皆さんは、どこに行っても、建設の反対をしています。しかしそれでは、どこにいってもゴミを焼却できないという事になるんじゃないですか。」と質問したそうです。 そしたら、「それが、私たちのねらいなんです。もうどこにいってもゴミ焼却炉が建てれなくなったら、国も重い腰をあげざるを得なくなるでしょう。」 私は、この話を聴いて、確信をついた活動をしているなと思わずにはいられませんでした。
日本が貿易黒字国である事は、誰でも知っていますが、重量ベースでみると、年による多少の振れはありますが、輸入が年間約8億トン、輸出が年間約1億5千万トンとなっています。つまり年間約6億5千万トンの貿易黒字国なのです。 片方で国内にどんどんものを蓄積するような作業をして、ゴミをつくるなという方が無理です。 生活ゴミが、年間約5千万トン(1人年間400キロ)、産業廃棄物が、年間約4億5千万トン処理されています。国民一人当たり年間4トンのゴミを出している計算になるのです。 これは、社会システム上やむをえない結果であり、責任はすべて国にあります。 そういう事を、根本から見直さなければ、ゴミ問題は解決されないのです。それを、現在人は、物を消費しすぎるとか、分別収集を徹底しなければいけないとか、あげくのはては、ゴミ収集の有料化をしないとゴミは減らないなどと、ゴミ問題を国民のモラルの問題にすりかえてしまう始末です。
私は、製造者責任を徹底するとともに、環境問題イコールコストアップではなく、コストダウンになるようなシステムを国を挙げて作る必要があると考えます。もちろん自分たちが、出来るゴミ減量の工夫は今後ともしていくべきです。それと平行して、以上述べた事も国レベルで論じてもらえるよう働きかけなばなりません。 今回紹介した劇団「往来」の中島氏が出演する環境問題を取り上げた劇「青空のピコ」が、10月29日午後1時より寝屋川市民会館で上演されます。ご覧になりたい方は、私の方までEメールでご連絡下さい。
情報提供先→ http://www.eonet.ne.jp/~hiromichi/gomi.htm