慶應通信 文学(A)評価合格レポートです。レポート作成の参考にしていただければ幸いです。丸写しは、ご自身を守るためにもお控えください。
5英米文学(家族の問題) 文学
『アメリカのありふれた朝』(ジュディス・ゲスト著/大沢 薫・訳/ 集英社/1994年)
タイトル「家族との死別後に起こる遺族の問題」
まず第1に、『アメリカのありふれた朝』の家族の問題を論じることに加え、著者が作品を書いた時代背景や社会をどのように作中で再構成そして表現しているのか、第2に、作品の興味を喚起した点について論じる。
第1:『アメリカのありふれた朝』が書かれた1960~70年代は、「(注1)白人アメリカ人プロテスタント及びイギリス系の上流階級を表すワスプ(WASP)の呼称が、頻繁に使われ始めた時代」であった。この小説も、ワスプを風刺している作品として知られ、ワスプ家庭の特徴である「(注2)女王である母が君臨し、支配している家庭」(ワスプ・マザー像)を的確に表現している。例えば、弁護士で一家の大黒柱である父キャルは、妻であるべスから牛耳られていることや(151/152頁)、息子コンラッドが、水泳部を辞めたことをべスは知らず、知人から聞かされることにより自分が家族をコントロールできていないことを感じ、恥を...