中央大学法学部通信教育課程 2022年度民法総論レポート第4課題
課題4
無権代理人と本人との地位が同一人に帰した場合における法的処理について論じてください。
1. 無権代理とは
無権代理とは代理権がないのに、代理人と称して行動してしまうことで、無権代理がなされても、その当該代理行為は無効であり、その行為は本人に帰属しない(民法113条1項)。(以後も条項は民法を示す。)しかし、本人の事後的な追認により、遡って有効とすることができる。しかし、相手方としては本人の追認の有無によりその法律行為が有効か否かという不安定な立場に立たされる。そこで相手方は本人に対し、催告権(114条)及び取消権(115条)を与えている。また、無権代理行為により、信頼して取引に入った相手方を害することから、無権代理人は相手方に対して責任を負うと定め、善意無過失の相手方を保護することし、履行または損害賠償の責任を負う(117条1項)。
2. 無権代理人と本人が同一人に帰した場合における法的処理
通常の代理行為であれば、本人に地位が帰属し、無権代理行為の場合は、追認を除き、本人に帰属しない。しかし、無権代理人と本人との地位が同一人に帰した場合は、どのようになるか、無権代理人が本...