東京福祉大学 基礎演習Ⅰ レポート A評価 設題:教科書27頁の形容詞対を用いて、自分の名前のイメージと自分自身についてのイメージを測定し、それぞれのイ メージのずれについて考察せよ。

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資料紹介

東京福祉大学の基礎演習Ⅰのレポートです。
科目名:基礎演習Ⅰ
科目コード:1730
設題:教科書27頁の形容詞対を用いて、自分の名前のイメージと自分自身についてのイメージを測定し、それぞれのイ メージのずれについて考察せよ。
自分の名前の部分に関しては伏せてあります。それでも少しは参考になるとは思いますので、もしよろしければ参考にしてください。

資料の原本内容

教科書27頁の形容詞対を用いて、自分の名前のイメージと自分自身についてのイメージを測定し、それぞれのイ メージのずれについて考察せよ。
 私たち人間は生まれたときから他者からつけられた名前で呼びかけられており、名前は自分そのものの象徴となるものである。子どもはなんら特別に意識することなく、それが当然であるように自分の名前を受け入れているが、家族を中心とした人間関係から、より他者関係が広がるにつれて、人は名前にまつわるさまざまなことを経験することになる。その経験によって自分の名前についてのイメージが形づくられることになる。
 このような自己の一つの属性である自分の名前について、どのようなイメージを抱いているのか調べる方法としてSD法がある。SD法では自分の名前について明るい、古い、楽しい、狭いなどの十五の形容詞対についてあてはまるところに〇をつけて得点を出していく。その得点を洗練性、量感、複雑性の三つの因子に分けて整理して自分の名前のイメージを調べることができる。
 実際に大学生の男性383人、女性504人にSD法を使って調査し、自分の名前に対する態度別に三因子の平均点と標準偏差を示したデータによると二つのことが分かった。一つ目は量感と複雑性には性差が見られ、洗練性には性差が見られないことである。これは男性が女性よりも、自分の名前を量感的、複雑だと見ていることを示している。
二つ目は、複雑性が自分の名前の好き嫌いに左右されていないのに対し、洗練性と量感は好き嫌いによって差が見られることである。洗練性では自分の名前を好きと答えた人の男性の点数は21.1、女性の点数は21.8に対し、嫌いと答えた人の男性の点数は14.4、女性の点数は14,0とどちらも6点以上離れている。量感も同じように好き嫌いの差が大きく、複雑性は好き嫌いでの差が1点未満となっている。
 実際に自分の名前の○○で測定してみると洗練性が19点、量感が26点、複雑性が24点であった。自分で特に納得したのは複雑性であり、点数が24点と高くなっておりその理由として構成要素にわかりにくい、特色のあるといったものがあるからであると思う。実際に18年間生きてきて、○○とみて○○と呼ばれたことは一度もないし、知り合った人ほとんどに珍しい名前だねと言われてきた。
 自分の名前の得点が平均点とどの程度違いがあるかM±SD,あるいはM±2×SD(Mは平均点、SDは標準偏)といった式で計算してみると洗練性であれば23.2以上だと高得点者の約16%となるが、私はそれよりも下なので相対的にみて低い位置にある。量感と複雑性についても計算してみると量感についてはほぼ同じ点数になったが、複雑性の方はそれよりも高い点数となった。このように自分の名前については高得点を記録しているが、これを自分に当てはめて測定した所、洗練性が11点、量感が13点、複雑性が17点と大きく差が開き、形容詞対についても半分以上が三点以上離れる結果となった。
 なぜこれほどまでに点数が離れているかを知るために〇と〇の成り立ちや意味を調べてみた。・・・・・・・・・・・・・・・・・
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 ○○の名前の由来としては果てしなく広がる〇のように○○、広くて優しい心をもってほしいといったものである。だが私は小さい頃は名前が珍しいためからかわれることが多かったのでこの名前を好きになることができなかった。また自分自身人見知りなこともあり友達も少なかったため明るくはなく地味な子だったと記憶している。今では多少マシにはなったと思うが、自分でも物事をネガティブに考えがちで、暗い性格をしていると思う。そのため自分の名前のイメージと自分自身のイメージの差が大きくなっていると考えられる。だが成長するにつれてこの名前だからこそ、人に名前を忘れられにくくなり、珍しいと興味をもって話しかけてくれる人と多く出会って他者とは違う自分らしさの確立に繋がったとも思っている。
また名前が珍しいことの関連として近年何かと話題になるキラキラネームがある。キラキラネームとは名前に使う漢字を世間一般とは違う読み方で読ませる、いわゆる当て字を使った名前のことである。キラキラネームはインターネットが普及し情報化が進んで、自分で画数を調べられることが増加の要因と考えられる。キラキラネームであっても親からもらった名前であるから大切にしたいといったポジティブな意見がある一方で、自己紹介で笑われる、名前を言うと微妙な空気になるなどのネガティブな意見もあるためそれが時としていじめの原因に繋がったりする可能性もある。そのため誰かに相談する、場合によっては改名すること視野に入れることも必要である。
 自分の名前に関するイメージには、使われている文字の言語的意味や、そのイメージ、同名の人のイメージなどが関わっている。このようなイメージとしての名前は親に対する気持ちが反映していることもあり、親の願いや期待を裏切らないようにと、自己形成をはかろうとすることもある。
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