佛教大学通信の経済学概論2024年度の合格リポート(90点)です。リポート作成の参考にしてください。
経済学概論リポート
「アンダークラス」はいつ、どのような契機で生まれたのか具体的に説明せよ。
1.はじめに
日本社会における格差と階級の変遷を戦後から現代まで幅広く分析している『〈格差〉と〈階級〉の戦後史』(橋本健二著)では、戦後日本における社会構造の変化、日本の高度経済成長を経てバブル崩壊に至った流れ、そして現代の格差拡大=アンダークラスの出現についての過程が論じられている。「格差の背後にはつねに階級構造があり、その時々の経済の変化や政策の変化がここに加わることによって、格差の大きさと、それがもたらす問題の質が変化する。いわば格差とは、階級構造という舞台の上で展開されるストーリーのパターンの数々であるにすぎない」①(※注1)とされていることから、今回、高度経済成長、バブル崩壊期の構造を段階的に追うことで、現代のアンダークラスアがいつ、どのような契機で生まれたのかについて論じていきたい。
2.高度経済成長期と中間層の形成について
日本の高度経済成長は1950年代半ばから1970年代初頭にかけての約20年間にあたる。この期間、日本は著しい工業化と都市化を遂げた。また、第二次世界大...