佛教大学通信の東洋思想史2024年度の合格リポート(75点)です。リポート作成の参考にしてください。
0704_Q5420_東洋思想史
儒家思想を中心として、中国思想の変遷を述べなさい。
1.はじめに
中国思想の歴史は、『論語』の「儒教」や、諸子百家と呼ばれる知識人たちがその礎を築いており、今回は各時代の特徴から中国思想、儒家思想の変遷について考察する。
2.春秋の成り立ち
春秋時代は「のちに儒家の経書とされる『春秋』という書物」①※注1に記載されている時代であり、李耳と孔丘を取り上げる。李耳は『史記』老子伝では「楚の苦県の人で、周の蔵書室の史官であったが、実在が疑われ」②ているが、老子のことである。『老子』の思想は「『無為』『自然』『道』」③であり、「『自然』の思想にほかならない」④。他者と必要以上に関わらずとも、自立的な運動で世界が成り立つと考える。孔丘=孔子は「『儒教』の祖」⑤とされ、その弟子たちの言説集である『論語』が漢代初期に成立しており、「思想のポイントは、『仁』の提唱」④である。「仁」とは「真っ先に私利私欲に走るのでなく、自分のためになることは後回しにする」⑤という考え方である。老子は道家、孔子は儒家とされ、対抗意識や倹約に価値を認める共通点があり、「当時の知識...