玉川大学通信教育課程学芸員コースの「生涯学習概論」の課題(第2分冊)です。
リカレント教育と社会人の専門性
中央教育審議会答申「わが国の高等教育の将来像」(2005
年)によると、21 世紀は、新しい知識・情報・技術が政
治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の
基盤として飛躍的に重要性を増し、新たな知の創造・継
承・活用が社会の発展の基盤となる「知識基盤社会」で
ある。そのため国民、特に社会人は個人の成長のみなら
ず、組織や社会を維持・発展させるためにも専門性を養
うことが求められている。
その専門性を養う仕組みとして、リカレント教育が
1970 年代ごろから OECDによって世界的に広められ、推
進されてきた。一方、日本はリカレント教育などの社会
人の学びの場の提供について、諸外国より遅れをとって
おり十分とは言えない。
では、なぜ日本では推進・定着が遅れているのか。リカ
レント教育の特徴や意義を確認したうえで、その理由を
考察し、今後の日本における社会人の学びの場について
考えていく。
1.リカレント教育の特徴と意義
リカレント教育の特徴は、「個人的側面」と「社会的(学
校・企業)側面」に大きく2分することができるだろう。
【個人的...