下人はどうやら解雇されたようだ。四五日前に職が無くなったにもかかわらず、およそ職などありつけそうにもない羅生門の前で佇んでいる。「すれば」という外道な思案をする割に、一直線でここまで足を向けたのではないかと疑う程、都合の良すぎる場所である。辺境に来て何を「すれば」なのだろうか。腰に差している刀も売れば金になる。老婆に振り回している時点で極限ではないのだ。赤々と膿が出るくらいのにきびには十分な余力すら感じる。下人の状態には少しの緊迫した雰囲気も感じ取れない。
にきびが膿む程の若い下人は単純に、即物的な行動に出ただけではないか。羅生門に屍骸が有り余っているのは周知の事実だった。そこは肉の楽園と映っただろう。冒頭で象徴的に出てくる鴉と入れ替わるようにして表れる下人は、鴉の残した糞を見つめている。示唆されるのはカニバリズムである。三好行雄氏の『芥川龍之介論』(1993・筑摩書房)では『野火』を比較の例に挙げている。実際に人肉を食べるものは京極夏彦氏の『百鬼夜行―陰』(1997・講談社)などを思い浮かべるが、世に伝わりしはスキタイ人の報復から宗教行事まで様々である。下人の場合は純粋な食欲があては...
事実、妹用に作り直した資料なので。
1.2000字以内(原稿用紙でなんとか入った。ただし題・氏名は欄外で!)
2.面白く読ませるように工夫(中学生~高校生用にした)
3.すなわち子供らしい要素を取り入れている(気になる人は削除すればおk)
一度は書く芥川での読書感想文。
今まで書いたことがあっても大丈夫でしょう。論文も数多くある作品なので。
時間のない休み明け直前。是非ご利用下さい。
もしくは大学のレポートの足しにでもしてください。