『小学校において教育相談をおこなう場合、どのような点に注意しなければならないか。いじめ・不登校のいずれかをとりあげて説明せよ。』
学校をとりまく様々な問題の中にいじめ問題がある。残念ながらこの問題は克服されないまま問題を複雑にし、今日に至っている。このいじめ問題をとりあげて、小学校において教育相談をおこなう場合、どのような点に注意しなければならないか考察してみる。
いじめ問題は、時代背景により刻々と変化している。最近では、子どもをとりまく「家庭」と「学校」という主要な要素の変化により、子どもが変わらざるを得ない状況である。子どもたちの変化という場合、変化した子どもとはどのような子を指すかという点である。それは、社会や大人の目から見た場合に、容姿や価値観が異質な子どものことであり、社会や学校で問題行動を起こす子どもをさす場合が多い。さらに現代の特質として「普通」に見える子どもたちにおいても問題行動が起こっている。「普通」に見える子どもたちの多くは、周囲や家族から「いい子」であると見られ、本当の自分ではない「虚構」の自分を演じている。つまり現代の子どもたちは自分を演じなければならないほどストレスを抱えており、その悩みは様々である。由に、どのような子どもであっても問題行動を起こしうる可能性を秘めているといえる。
では実際、現代の「いじめ」の特質についてみていく。2001年文部科学省の「生徒指導上の諸問題の現状について」において、いじめの発生件数は「減少傾向にある」という調査結果が出されている。しかし、いじめの発生件数とは、第3者によって発見されたものだけであり「見えないいじめ」はその数に含まれていない。最近のいじめはますます陰湿化してきており発見できない場所で起こったり、いじめを傍観し無関心を装うなど、いじめが見えにくくなっているのが特徴的である。いじめの発生件数が減少している傾向の裏側では、見えないいじめが増大しているかもしれない。では、どうして「いじめ」は発生するのであろうか。いじめについては、これまで様々な調査・研究が行われてきた。そのいじめの原因を大きく4つに分類してみていこう。第1は、「性格原因説」である。これはいじめの原因を被害者や加害者の性格に問題を起因させる考え方である。例えば、加害者の特徴として「落ち着きがない」「無神経である」や、被害者としては「小心者」「依存的性格」などのように性格に問題があるという見方をするものである。第2は、「機会原因説」である。これは所属している集団の状況や雰囲気によって左右されるという説で、いじめ発生は、きっかけにすぎないとしている。子どもの世界では「普通」が求められる中、その普通」を越えたり足りなかったりすると排除の対象となるのだ。従来までは他の子に比べてマイナス面をもつ者が排除の対象となったが、近年では学力が良好「すぎ」たりするプラス面もいじめの発生原因となるところが特徴的である。第3は、「いじめの4層構造論」である。これは、いじめの発生原因を加害者と被害者だけでなく、いじめを傍観し、いじめをはやしたてたりする者や、見て見ぬふりをするなどのいじめの容認態度をとる者を含めた、学級集団全体のもんだいであるととらえたものだ。加害者と被害者という当事者の問題だけでなく、その周囲を巻き込んだものを原因とするもので従来よりいじめ問題原因を広い視点でみているものだと考える。第4は、「ストレス原因説」と「規範意識欠如説」である。どちらも、加害者の視点から論じた説で、加害者の何らかの欲求不満やストレスがいじめの背景
『小学校において教育相談をおこなう場合、どのような点に注意しなければならないか。いじめ・不登校のいずれかをとりあげて説明せよ。』
学校をとりまく様々な問題の中にいじめ問題がある。残念ながらこの問題は克服されないまま問題を複雑にし、今日に至っている。このいじめ問題をとりあげて、小学校において教育相談をおこなう場合、どのような点に注意しなければならないか考察してみる。
いじめ問題は、時代背景により刻々と変化している。最近では、子どもをとりまく「家庭」と「学校」という主要な要素の変化により、子どもが変わらざるを得ない状況である。子どもたちの変化という場合、変化した子どもとはどのような子を指すかという点である。それは、社会や大人の目から見た場合に、容姿や価値観が異質な子どものことであり、社会や学校で問題行動を起こす子どもをさす場合が多い。さらに現代の特質として「普通」に見える子どもたちにおいても問題行動が起こっている。「普通」に見える子どもたちの多くは、周囲や家族から「いい子」であると見られ、本当の自分ではない「虚構」の自分を演じている。つまり現代の子どもたちは自分を演じなければならない...