「乳幼児の心理についてまとめよ。」
乳児期心理について
生後1年半頃迄の期間についてを「乳児期」と言われている。人間の赤ちゃんが生まれてから立ち上がり、歩きだし言葉を話す事ができるようになるまでには、約1年半程の期間が必要と考えられていて、この時期についてを「乳児期」と言い、短い期間だが後の心身発達の基礎となる重要な時期とされている。
乳児期の子どもは、イメージを頭に思い浮かべたり、言葉を使い考えたりする事がまだできない。目に見えないものや、体験をしていない事は認識する事ができない為、行動内容が単調的な形で現れてくると言える。つまり、乳児期の子どもが認識できるのは、直接的に触ったり見たりするものだけである。その為、心理学者のピアジェは、この時期についてを「感覚運動的知能の段階」と呼んでいる。
乳児期では、自分自身の体験した事柄から、大きさや固さ、量などを周囲にある物の性質を理解し、次第に事物間・事象間の関係を理解していくようになるのだ。こういった経験を繰り返す事によって、イメージを思い浮かべる事ができるようになっていくのである。
こうした認知発達と密接な関係にあるのが言語の発達であり、周囲にある色々な物を手に持ってみたり、口に入れて舐めてみたりしながら物を見分け、区別をし、特徴づけるようになるのだが、それは後々、言葉の意味を理解する働きにつながっていく。そして、見たり触れたりした物を「存在する物」として認識ができるようになると、自分の欲しい物へ母親の意識を向けさせるように、その欲しい物へ手を差し出したり声を出したりし、母親とその物に交互に視線を送り、相手に自分の思いを伝えようとする行動を起こす事ができるようになってくる。これは、それまで目の前にある物しか存在していると認識できなかった事が、目の前になくとも存在する物として認識できるようになったという事をさしている。同時に言語面に関しても、周囲の人々に対して欲しいという事を伝えようとし始め、発達を示してくる。
こういった認知や言語を順調に発達させる為には、両親をはじめとする家族からの安定した愛着の形成が重要とされている。愛着とは、乳幼児が母親など特定の人間との間に形成する情愛的な結び付きについてのことである。愛着は、日常の養育における生理的要求の充足により形成がされる。つまり、親をはじめとした家族は、空腹や喉の渇きなどや不快感などの乳児の生理的欲求を充足することができると言える。
こうした生理的欲求の充足が日々行われるうちに、乳児は親を「自分の世話をしてくれる人」として、他人との違いを識別し、保護者が緊張を解消していき、快感を与えてくれる存在と学習する。そして、乳児は母親と一緒に居る事を強く求める依存欲求をもつようになる。こうして「安定した愛着」をもった子どもは、愛着をうまく形成できなかった子どもと比べると、頻繁に親と触れ合ったり、親を中心とした探索行動を起こしたりする。
子供たちは、保護者から多様な経験や情報をよりたくさん引き出すだけではなく、積極的に広範囲に探索行動をおこない、経験の幅について広げていくのだ。
安定した愛着を形成するという事は、子ども達が自らの発達を着実に進めていく基礎といえる。例えば乳児が笑ったり声を出したりした時、つまり乳児が表現する喜怒哀楽に対して、親がタイミングよく応対すれば、乳児は自分が環境に影響を与えたことで自信をもち、さらに感情を表現してくる。
しかし、自分が発した事に反応をしてもらえなかった場合は、逆に感情表質が乏しくなる。また、テレビ刺激を与えても乳児の言語発達
「乳幼児の心理についてまとめよ。」
乳児期心理について
生後1年半頃迄の期間についてを「乳児期」と言われている。人間の赤ちゃんが生まれてから立ち上がり、歩きだし言葉を話す事ができるようになるまでには、約1年半程の期間が必要と考えられていて、この時期についてを「乳児期」と言い、短い期間だが後の心身発達の基礎となる重要な時期とされている。
乳児期の子どもは、イメージを頭に思い浮かべたり、言葉を使い考えたりする事がまだできない。目に見えないものや、体験をしていない事は認識する事ができない為、行動内容が単調的な形で現れてくると言える。つまり、乳児期の子どもが認識できるのは、直接的に触ったり見たりするものだけである。その為、心理学者のピアジェは、この時期についてを「感覚運動的知能の段階」と呼んでいる。
乳児期では、自分自身の体験した事柄から、大きさや固さ、量などを周囲にある物の性質を理解し、次第に事物間・事象間の関係を理解していくようになるのだ。こういった経験を繰り返す事によって、イメージを思い浮かべる事ができるようになっていくのである。
こうした認知発達と密接な関係にあるのが言語の発達であり、...