電気回路
電気回路(でんきかいろ、英: electrical
circuit)は、電気を利用するために電源、負荷などの回路素子を導体で接続したものである。
電気回路は電流の流れのための閉ループを持っていて、2つ以上の回路素子(電源、負荷)が接続され
ていることが通例である。「回路」の語義的には閉ループになっていることを指すが、アンテナの
ように開放端になっている部分も通例として含めている。また回路のうち機能的に一部分を取り出
して、その部分を指して回路ということもある。
電気を利用する人工物はすべて電気回路の範疇であるが、態様や機能により様々な種類・類型が存
在する。
例えば分野・領域名ではトランジスタ、ダイオード等の半導体素子を含むものを指す電子回路、高
周波信号を扱う場合の分布定数回路などがあり、機能を表すものとして増幅器の差動増幅回路、通
信分野における変調機能を担う変調回路などがある。
「電気回路」という語を用いる場合は、これら各領域に共通する電気現象の工学的利用のためのモ
デル、実装に関する概念を取り扱う。
電気回路は、電気の利用、電気現象の検討に用いるモデルとしての側面と、具体的な製品・システ
ムの実装物としての側面が存在する。電気の利用に関する場面においてはこの両者の存在に留意し
て、モデルとして設計した回路を実現する実装技術に関する理解、実装可能な方法に留意したモデ
ルとしての回路設計の理解が必要である。
電気回路のモデルとしての側面では、電気回路の回路図が与えられる場合、実際の物的な構成がそ
の回路通りであるとは限らない。例えば電動機(モーター)を示す電気回路図では電気的エネルギー
と機械的エネルギーの変換関係をモデル化して模式的に電気回路として表現しており、半導体デバ
イスのトランジスタでは動作を電源と受動素子の組み合わせとして模式的に別の電気回路で表現す
ることが行われる。このようにある機能・現象を模式的に表す回路を等価回路と呼ぶ。等価回路は
電気回路のモデルとしての側面でよく用いられる考え方である。
電気回路が回路図として示された場合、それが実装物としての構成を示すのか、ある程度実装に即
した設計モデルなのか、あるいは等価回路なのかという位置づけに注意することが必要である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』