トラス
トラス(英:Truss)は、三角形を基本単位としてその集合体で構成する構造形式。結構ともいう
。
構造形式のひとつで、部材の節点をピン接合(自由に回転する支点)とし、三角形を基本にして組
んだ構造である。材質としては木材や鋼鉄が使われることが多い。
構造計算のさいに節点をピン接合とみなして理想化する場合でも、実際の構造物で純粋なピン接合
とすることは少なく、節点が事実上剛接合に近いものも多い。その一方で、「トラスらしさ」を強
調するために機械のジョイントを思わせるディテールを敢えて用いるといった意匠上の工夫がなさ
れることもある。さらに理想化して考える場合は、部材のたわみ等を無視し簡単化するために、部
材及び接合部を剛体とみなし解析する。接合部に注目する方法と、特定の部材の反力を求める方法
とがある。
比較すべき構造概念として、部材を剛接合したラーメン
(骨組)、部材を線ではなく面ととらえる壁式構造、曲げモーメントを圧縮力に変換するアーチ構造
等が挙げられる。
用途として主なものは、土木では鉄塔や橋梁(トラス橋)、建築では小屋組や、三次元的なトラス
(立体トラス)によるドーム、最近ではローラーコースターのレールなどにも使われている。また
、クレーンのブーム、自転車のフレーム、オートバイのフレームなど機械でも金属のトラスが用い
られることは多い。
トラスでは接合部で引っ張りや圧縮の力は伝達できるが、曲げモーメントは伝達できない。このた
め、基本的に筋交いなどを入れた三角形の形状でなければ、骨組みを構成できない。
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