聖徳大学通信 【S評価】 児童学演習 第2課題 第1設題

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    聖徳大学通信 【S評価】 児童学演習 第2課題 第1設題 
    第2課題 第1設題

    (1) オランダ
    オランダの学校教育について最も興味を抱いた事は、「学校選択の自由」、「学校設立の自由」、
    「学校経営の自由」が憲法によって「教育の自由として」定められており、学校ごとに自由な裁量
    が認められていることである。オランダ教育の代表例としてオルタナティブ教育(主流や伝統とは
    異なる教育、学習法のこと)があり、それを活用して「子どもが教育を受ける費用を国が保障」、
    「個性ある学校」、「家庭ごとに方針を選べる自由」、「子ども自身の希望と努力」の4つで教育
    が成り立っているといえる。それぞれの家族がどんな教育・将来を望むかという個人的な思想と国
    による建設的な取り組みがあり、その受け皿として学校があるのだと感じる。
    (2) スウェーデン
     スウェーデンの教育に関して興味深く感じたことは、包括的教育の「いつでもどこからでも教育
    を受ける権利がある」という考えに基づく生涯学習の観点から教育制度が設置されているという点
    である。スウェーデンでは、高校受験に失敗したとしても将来への道が断たれるわけではない。ド
    ロップアウトしてしまっても、各自治体が運営するKOMVUXや国民高校といった教育機関でいつで
    も学び直すチャンスが用意されている。やり直しのきく教育システムは日本のように競争に負けた
    ら直せなくなってしまうという不安ではなく、学びたくなったらいつでも学び直せるという安心感
    を与えてくれるだろう。
    (3)デンマーク
     デンマークでは子ども自身が尊重されて育っていくということに興味を抱いた。例えば、感情が
    抑えられない子がいた場合は、その感情を無理に押さえつけるのではなく、感情を発散してもいい
    場所や発散する方法を教えたり、その子がリラックスできる環境を作ったりする。他にも子どもた
    ちの得意なことやコミュニケーションのとり方を観察し、個性や社会性を伸ばしていく。日本では
    、特に親が暴れている子に対して叱ったり、最悪手を出し、無理に押さえつけようとすることがよ

    く見受けられるので、子どもの個性を殺してしまっていると感じた。
    (4)インド
     インドでは女性差別の中での教育改革について興味を抱いた。伝統的にインドの女性は、男性に
    比べ、教育の機会が限られるなど、社会に出て仕事をするよりは家庭に入ることが優先されてきた
    。しかしここ数年で女子の教育機会向上に取り組んでおり、6歳から14歳までのすべての子ども
    に無料の義務教育を受けさせる権利が保障され、少しずつではあるが女性に対しての差別が軽減さ
    れつつある。根付いているものを払拭することは難しいことであるが、将来的に男女が並んで歩け
    る国になる事を願いたい。
     (5)ケニア
     ケニアでは、国や家庭の経済的な状態によって教育を受けることの難しさに興味を持った。教育
    の無償化によって授業料は心配なくなったが、制服、教材、試験費用などは家庭で負担しなくては
    ならず、収入が低い家庭は教育費を払えず、一時的に通学ができなくなったり、留年することもあ
    るという。また、保護者の教育に関する理解が子どもの就学に影響することもあり、貧困状態にあ
    る家庭の保護者は子どもの進学に積極的ではないことが多いと言われている。家庭の状況によって
    子どもの未来が左右されてしまうのは、どの国でも同じだと感じた。
     (6)南アフリカ
     南アフリカでは、かつての人種差別がある中での教育体制が感慨深いものだと感じた。黒人に対
    する教育はずさんで、バンツー教育法によって白人のための奴隷を生んでいるようなものであった
    。現在ではそのような教育法や、教育を受けるための人種差別もなくなり良い方向へ改善されつつ
    ある。とはいえ、全ての子どもが教育を受けられているわけではなく、貧困問題やエイズの蔓延な
    ど課題は多く残っている。しかしアパルトヘイトがなくなったように希望を捨てず、近い将来に明
    るい国家が築かれることを期待したい。

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