社会保障
社会保障(しゃかいほしょう、英: Social security
schemes)は、個人的リスクである生活上の諸問題(病気・けが・障害、出産、老化、死亡、失業
など)について、国家・地方自治体が各分野ごとに徴収した保険料による支え合いを基本とし、不
足分を税金・借金(国債費)などを充当・所得移転させることによって、上記の諸問題から国民を
保障し、医療や介護などの社会的サービス(Social
benefits)を給付すること。社会保障制度(Social security
system)は社会保障のための制度を指す。
社会保障という言葉は社会福祉と同義で使われることも多いが、公的には、社会福祉の他に公衆衛
生をも含む、より広い概念である。
社会保障の有無や程度は国によって差が大きく、世界人口の約53%、約41億人は社会保障がない状
態に置かれている(地域別では、ヨーロッパは80%以上カバーしているに対して、サブサハラアフ
リカは約13.7%しかカバーされていない。国別では、北朝鮮等の不明の国を除けば、ガイアナ・サ
ンピエール島・ミクロン島・オーストラリア・モンゴル・ニュージーランド・シンガポール・カザ
フスタン・ベルギー・フィンランド・フランス・スロベニア・スウェーデンは全国民をカバーして
いるのに対して、ギニアビサウは約0.9%しかカバーされていない。因みに、日本は約98.0%)。社
会保障制度がある国においてその目的は多くの国で共通するが、言葉の意味するところは国によっ
て異なる。たとえばイギリスでは、Social
Security(社会保障)は経済的保障のみを指す。国際労働機関(ILO)や欧州連合(EU)などではS
ocial Securityに代えてSocial
Protection(社会保護、社会的保護)という言葉も用い、経済協力開発機構(OECD)の統計ではS
ocial
Expenditure(社会支出)の概念を採用するなど、国際比較や統計処理のために様々な分類を行っ
ている。
その財源については、一般税収を原資とする方式(ベバリッジ型)と、労使で保険料を拠出する方
式(ビスマルク型)に分かれる。後者については社会保険制度とも呼ばれる。
日本における制度については「日本の福祉」を参照
社会保障の発展や変容の要因に関する研究については「福祉国家論」を参照
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