古墳
古墳(こふん)とは、
・原義・第1義としては、「古い墓」「古人の墓」を意味する。日本では少なくとも平安時代中期
以来の日本語(漢語)である。
・第2義・考古学的語義・近代以降現代の語義としては、「墳丘墓」・「盛土(封土)をした古代
の墳墓」を意味する。
・最狭義には、日本の古代に属する一時代(古墳時代という)に築造された特定の形態の墳丘墓を
指す歴史用語である。高塚(たかつか)ともいう。
東アジアにおいて位の高い者や権力者の墓として墳丘墓が盛んに築造された。本項はこれ以降、特
筆しない限りは日本の古墳について解説する。
「古墳」という日本語は、古代から近世にかけては「古人の墓」全般を指す語であったが、墳丘を
もつ墓が知られていたより古い時代(弥生時代)にも存在することが考古学の発展によって判明し
て以来、「前方後円墳出現以降の、墳丘をもつ古い墓」を指す語に変わり、弥生時代に続く古墳築
造の隆盛期を「古墳時代」と呼ぶようになった。現在の日本史では、一般的に「3世紀半ばから7世
紀頃にかけて日本で築造された、墳丘をもつ墓/高塚の墳墓」を「古墳」と呼び、他方、弥生時代の
墳丘墓は「墳丘墓」、奈良時代の墳丘墓は「墳墓」、中世の墳墓は「中世墳墓」、近世の墳墓は「
近世墳墓」と呼んで、それぞれに区別する。
また、現代日本語の「古墳」は、国際的に通用する普通名詞として用いるか(※第2義)、日本の
古墳のみを指す固有名詞に近い語として用いるかという(※第3義・最狭義)、未だ明確に定義さ
れない異なる語義が並立しており、この点に断り無くどちらか一方の意味で用いられることにより
、時として齟齬が生じる。
現代日本語「古墳」に相当する現代英語は kofunが通例であるが、"ancient burial mound"など
mound(意:塚、墳丘墓、ほか)に説明を付け加える形でのかなり曖昧な言い回しも多く、特に日
本に限定する場合は "in Japan" を付け加えるなどする。
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