文化遺産
ユネスコが登録する世界遺産は、その特質に応じて「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」に分類
されている。この項目では、そのうち「文化遺産」について扱う。
2021年の第44回世界遺産委員会拡大会合終了時点では、文化遺産は897件登録されている。
文化遺産として登録されるためには、登録基準に照らして「顕著な普遍的価値」を有することを世
界遺産委員会で認められることが必要となる。委員会での審議に先立ち、ICOMOSが調査を行い、
登録にふさわしいかどうかの勧告を行う。
文化遺産としての登録基準は以下のとおりである。
(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
(2)
ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザイ
ンの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(5)
ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例
。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
(6)
顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接
にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産
委員会は考えている)。
これらの基準はひとつだけの基準が適用されることよりも、複数の基準が適用されることが多い。
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