日本大学通信教育学部、2019~2022年度の憲法のリポート課題①、「生存権の法的性格について論じなさい」の合格リポート原稿です。手書きの際に若干修正を加えております。
丸写しでの提出はおやめください。誤字脱字など修正しておりません。あくまで、ご自身のリポートの参考としてお使いください。
生存権とは、社会権のなかで原則的な規定であり、国民がみな人間らしく生きることができる権利として宣言されたものである。憲法25条1項では「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定され、人として生きる権利を保障している。また、憲法25条2項では「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定し、国が権利に対する義務を負うということを明確にしている。このように、誰が誰に対して権利を保障する義務を負うのかが明確に規定されているが、この規定の法的性格を巡っては憲法制定当初から議論が重ねられている。
生存権の性質については、法的権利性がなく、努力目標にすぎないというプログラム規定という考え方がある。この考え方は、資本主義においては自助が原則である、または福祉政策を行うための国の収入には限度があり、社会福祉にも限界がある、といった考えに基づく。しかし、国が資本主義政策をとったことにより生まれた社会的弱者を保護しないことは違憲であるとして、生存権の権利性は全面的に認められるべきであるという論調も強い。
生存権は、国...