2021年度合格
【課題】
子どもの愛着形成について説明しなさい。
【参考・引用文献】
塚田紘一著 『子どもの発達と環境 児童心理学序説』 明星大学出版部
愛着形成と子どもの発達全般との関係について述べる。
最初に、「愛着」の意味は、「乳幼児が母親などのような特定の人との間に形成する情愛的な結びつき(affectionaltie)」と定義され、これはアタッチメント(attachment)とも呼ばれている。
「愛着」の形成要因に関しては、これまで子どもの不快(空腹やおむつの不快)等を解消しつつ、生理的欲求を満たしてくれる母親に対し、子どもが愛着を形成していくとする、「動因低減説」によって説明されてきた。
しかし、ハーロウのサルの実験、カイアンズの子羊とイヌでの実験、ストレンジ・シチュエーションという方法を用いたエイスンワースの実験から、愛着の形成要因として、次の3つが指摘されている。①やわらかく暖かい身体接触、②視覚的・聴覚的・嗅覚的な接触、③乳児と母親の間の多様な相互交渉の全体的な量で、③は以更に3つに分かれる。③(1)乳児の発するシグナルに敏感に適切に反応すること、③(2)一定量以上の、身体的、視覚的、聴覚的な相互作用があること、③(3)乳児との相互作用を喜びをもって行なうこと、これらが、今日最新の研究結果からでた、愛着の形成要因...