必要という言葉は福祉政策における最も基本的な概念である。そのためその言葉の意味とその必要性が合致する場合とそうでない場合、必要性の判定について以下に述べる。
必要という概念を明確化するために類似した概念は需要である。必要と需要の言葉を対比した場合に必要の根拠が道徳や価値にあるのに対して、需要の根拠は欲望や欲求である。必要は何らかの道徳や価値に基づいて、何かがいると考える。それに対して需要は何かが欲しいというときは、そこに特段の価値判断はない。次に必要の根拠となる道徳や価値は客観的なものである。これに対して需要の根拠となる欲望や欲求は主観的なものである。そして必要や需要が存在するか否かの判断...