ソーシャルワーカーが社会全体を理解しておくためにも歴史的事実を把握しておく必要がある。そのため古代社会から福祉元年までの史的変遷を述べる。
古代社会の慈善事業では、757年に施行された養老律令に救済関連の事項が含まれていた。これは生活に困窮した人がいた場合は、近親者の相互援助おこなうことで、親族相救と呼ばれるものであった。それが難しい場合は坊里に預けて扶養させることが規定されていた。
近代国家になり始めて日本で貧困者に対する救済法である恤救規則が1874年に制定された。これは貧困状態にあるものの救済は慈善家や近隣から日用品や食品を恵んでもらうことが中心となる施策で人民相互の情誼と呼ばれる...