『間接正犯』
<定義>
正犯とは、自ら犯罪を実行した者をいうが、間接正犯とは、他人を利用してあたかも自ら直接に実行したのと同様の態様で実行行為を行うことをいう。間接正犯は、刑法典にこれを認める明文は存在しないが、他人を利用して自己の意思通りに犯罪を実現することは不可能でなく、これを自ら実行行為をなしたものと評価することは可能で、解釈上間接正犯を認めても罪刑法定主義には反しない。
<間接正犯の正犯性>
この点、利用者が被利用者をあたかも自らの犯罪実現のための道具として利用した点に求める説や利用者が被利用者の行為を支配して犯罪を実現する点に求める説がある。しかし、意思に基づく人の行為は厳密な意味...