鴨長明の経歴をおさえられている。
『方丈記』の文学史的位置付けをおさえられている。
『方丈記』に通底する「無常観」を理解できている。との評価で、試験にも高評価で合格しました。
レポートは、次の二点を中心に作成しなさい。第一点目に著者である鴨長明という人物の
経歴などや『方丈記』の文学史的位置付け(成立やジャンルなど)をまとめよ。第二点目
に、『方丈記』冒頭の、「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみ
に浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。世の中にある、
人と栖と、またかくのごとし。」の「世にある、人と栖と、またかくのごとし」という言葉
から、京の「人」や「栖」(建物)を、鴨長明が『方丈記』の中で、どのように捉えている
かを、鴨長明自身の「方丈」での生活の描写などとも関連させて考察せよ。
(レポート解答)
1.鴨長明の経歴
鴨長明は、1155(久寿二)年ごろ、下鴨神社正禰宜、父長継の次男として生まれた。長明
は元来、良家に生まれ学問・和歌・音楽等様々な技芸にも長ずる優秀な官社の後継者であ
った。父方の祖母の家を継ぐが、長明が 18 歳頃、父が急死する。後ろ盾であった父の死に
よって、長明の経済的、世間的な人生は下り坂となって行く。長明は鴨祐兼と禰宜の地位
を争うが相続争いに敗れる。妻子が居た事もあったようだ...