法の下の平等について
1平等と自由
第一に法の下の平等について説明をする。ここにおける「法」とは成文法のみならず、判例法、慣習法も含まれる。法の適応において平等であることを要求するものである。これは一般国民だけでなく、立法者、司法に関わる者も法に拘束されることを示している。
人間平等の理念は個人の尊厳の原理の表れである。その背景には、人間生来の平等を主張する近代的自然法思想、神の前におけるすべての人間の平等を説く近代的宗教思想、平等価値の実現を目標とする近代民主主義の考え方を受けている。人類平等の考えは近代になりより強く、長く人類の目標とされてきた。性別、人種、年齢等による差別をなくそうと努力が続けられてきた。それと共に追及されてきたのが自由である。
近代憲法はその二つを守るために存在している。代表的なものが人権である。ジョンロックの、人間は自然の状態において生来の自由を持っていたのであるがそれらの自由を保障するために契約によって国家や政府を作ったという考え方は近代革命の基礎となった。
自由を守るための人権は裁判規範としての視角から、その制約の合憲かどうかを判断する基準を設定...