考えるというとき、私達は通常頭を使いますが、乳児はむしろ体を使って考えます。
見る、触る、舐める、叩くなどしてその結果生じる感覚を通して外界の事物を知っていきます。
このような思考をピアジュは感覚的知能と呼び、さらにそれを6段階に分けました。
第一段階では、反射の行使。
生まれつき備わっている原始反射により、外界との接触が始まり、最初は、反射にすぎなかったものが、次第に能力的、適応的なものに変化していく。
第二段階では、第一次循環反応。
見る、吸う、つかむ、聞くなど単純な諸動作が出来るようになり、偶然それらが結びつくことにより、循環反応が生じます。
第三段階では、第二次循環反応。
この段階になると、赤ちゃんの世界には、自分の身体以外に『もの』が入ってきます。
目と手の協力が成立することにより、ものを目で見て、つかむ、口元へ運ぶといった動作が見られるようになります。
それまでは、行為そのものを楽しんでいたのに対し、行為の結果、すなわち行為によって生じる外界の変化に関心をもつようになります。
ただしこの変化は意図的に引き起こされたものではなく、偶然に生じたものです。
第四段階では第二次循環...