「貿易の自由化と環境保護の関係について」2000字で論じています。
【国際法】
貿易の自由化と環境保護の関係について、具体的なケースに言及しながら説明せよ。
様々な地球環境問題が、国際政治、国内政治の場で関心を集めているが、特に深刻なの
は、大気、水資源、生物資源など世界全体が共有する国際公共財またはグローバル・コモ
ンズともいえる財産の破壊である。独立、平等の主権国家から形成される国際社会では、
所有権を与え、それを認証・管理・執行する権力を持つ世界国家は存在しない。このよう
な国際公共財について一国の政府が行うような解決は困難である。ある国の汚染が増加し
たり削減したりすると、その効果は自国だけでなく地球全体に及ぶ。また、オープン・ア
クセスの国際公共財では、ある国が環境保護のために対策を行ったとしても、他国はその
ような対策に同調するどころか、これを利用して漁夫の利を得るという状況が生じ得る。
たとえば、漁獲量削減などでは顕著であり、ある国が漁獲量を削減した分、他国がこれに
ただ乗りして逆に漁獲量を増加させようとすることが考えられる。国際社会では主権国家
に強制する権力を持つ主体は存在しないため、環境保護にはこのようなフリー・ライダー
問題が...