<ふるさと納税制度>
大都市圏と地方の税収の格差を是正する方策についての議論があがっている。焦点となっているのは「ふるさと納税」である。この税制度は個人の所得税の一定割合を個人が育った故郷に納税し、恩返しをしようというのである。
一見聞こえがいい税制度であるが、私はこの税制度には反対である。そもそも、こうした提案が出てくる根底には国が今抱えている借金を少しでも減らしたいという事があるのだ。
事実、地方分権に対応して基礎自治体の財政力を強化するという口実で行われた「平成の大合併」は、実際は地方交付税交付金や各種補助金といった地方自治体への歳出削減という結果をもたらした。この歳出削減によって地方が...