体罰論

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     体罰については、はっきりと「良い」「悪い」を言及することができないとても難しい問題である。実際、授業での学生の意見交換の場でも、条件つきであったり、まだまだ自分の中で反対と賛成の葛藤をしていたりする人が多い。私自身も、賛成なのか反対なのか、決めかねていたが、やはりよく考えてみると体罰はよくないように思う。
    生徒の意見はどちらかというと体罰肯定派が多いようだ。しかし、体罰を肯定する人たちの意見を聞いてみると、それは必ずといっていいほど「条件つき」であった。ということは、体罰を根本から本当に肯定しているわけではないのではないか?
    体罰肯定派の意見としては、まず根底にあるのが、教師と生徒の間に信頼関係があればいい、という意見である。愛のムチともいえる。確かに、架空の話ではあるが、ドラマの金八先生のような生徒との信頼関係が築けている上での体罰は、さほど問題でないように思われる。信頼関係が築けていれば、生徒の心では「いつも親切にしてくれる大好きなこの先生がこんなに怒っているのだから、自分は本当に悪いことをしてしまったんだ」と深い理解と反省が生まれる。体罰する側の教師も「この生徒なら分かってくれ...

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