中央大学法学部 通信課程
【(集団的)労働法】2017年度 第4題 【合格レポート】
Y社の措置はZ労組の組合活動を阻害するもので違法である、とするZ労組の主張は妥当か否かが問題となる。
ここで「Y社の措置」とは、以下の(1)、(2)および(3)である。
(1) Z労組はユニオン・ショップ協定(以下「ユ・シ協定」という)を理由にY社にPらを解雇するよう要求したが、Y社はこれに応じなかった。
(2) Y社はZ労組との間で締結しているチェック・オフ協定を破棄したいと通告した。(Y社が主張する理由:Q組合の結成により、労基法24条により違法となる。)
(3) Y社はZ労組に供与していた組合事務所、組合掲示板の返還を要求し、返還しない場合には利用を禁止すると通告した。(Y社が主張する理由:公平の観点から。)
(1)、(2)および(3)のY社の措置の適法性を個々に検討する。
(1)について
ユ・シ協定とは、職場の過半数を代表する労働組合と使用者との間で締結する労働協約であり、労働者の採用にあたり労組への加入を条件とし、労組を脱退・除名された労働者について使用者が解雇する義務を定めたものである。
本件については、Y社内に新たにQ労組が組織され、Z労組の組合員のほぼ半数がZ労組を...