長期入院が多い理由

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    資料紹介

    <参考文献>
    メンタル医療革命:社会が変わり、病気も変わり、病院も変わる 榎本稔著
    PHP研究所 2018年
    読売新聞の医療・健康・介護サイト「yomiDR.」 伊澤雄一、河崎建人
    https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20141014-OYTEW52369/

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    日本の精神科病院入院期間が長い要因
    日本の精神科病院における入院日数は 2011 年の調査で 298 日であり、OECD 諸国の平均 36 日と
    比較して圧倒的に長い。2014 年、OECD は「日本の精神医療制度は OECD 諸国の中で、精神病床の
    多さと自殺率の高さなど悪い意味で突出している」と報告している。以下では、日本の精神科病院入
    院期間が長い原因について、(1)精神科病院の経営、(2)社会の偏見、(3)家族の負担の三つの視点で述
    べる。
    はじめに精神科病院の経営についてである。日本の精神科病床は 9 割が民間病院にある。明治以降
    の国策として、精神障害者を地域から隔絶した所に収容するという考え方があり、戦後は私宅監置を
    なくすため精神科病床数を増やす政策が取られてきた。1958 年の厚生事務次官通達により、精神科は
    その他の診療科と比べて医師や看護師の数が少なくてよいとする、いわゆる精神科特例ができた。ま
    た、1965 年の精神衛生法改正により、精神科病院への措置入院における国庫負担額が引き上げられ、
    精神科病院への金融公庫の融資も増大した。そのような経緯により、精神科...

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