(2018)慶應通信経済学部専門必修科目「経済原論(マクロ経済学)」で合格をいただいたレポートです。潜在産出量がテーマです。
※レポート作成の参考としてご利用ください。合格を約束するものではありませんので、丸写しはご遠慮願います。
'18経済原論(マクロ経済学)(E)
はじめに
潜在産出量とは,労働者のすべてが雇用され,工場や機械のすべてが完全に稼働したとするならば,一国経済でどれだけ生産できるかを示す指標である。潜在GDP,あるいは完全雇用国民所得,または自然率産出量などとも呼ばれる。一国経済の目標は,資本や労働を上限まで活用し,失業がなく,生産活動が活発で,物価が安定している状態を目指すことにある。潜在産出量と実際の産出量との差異が少ない状態を実現することが,経済政策の目標ともいえる。本稿では,この潜在産出量について,総需要と総供給の関係を通して,景気変動との関連性も含めて述べていく。
1)GDP(国内総生産)
経済活動は,生産→分配→支出という流れで捉えられる。生産されたものは分配され,支出されるという経済循環の過程である。これは,同じものを異なる側面から捉えたもので,生産=分配=支出が成立する。この三方向から見た額が等しいことを,三面等価の原則という。
国内総生産(GDP)は,生産面から見た国民所得である。1年間に生産された付加価値の総計であり,企業が新たに生み出す生産量を指す。
国内総所得...