【慶應通信】歴史叙述の客観性【史学概論】

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    資料紹介

    歴史家の「歴史観」の問題と関連付け、「歴史叙述の客観性はどこに求められるのか」について「説明仮説」を基に論理的に推論されるという視点から述べている。

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    史学概論
    はじめに
    「主観の媒介なしに歴史はありえない」とは、主観が排除しえないものであるといえ
    るが、その主観の中に客観的といえるものを見出す必要がある。そこで「歴史家の解
    釈によって歴史は作られる」ということを歴史家の「歴史観」の問題と関連付けて述べ
    ることにする。 次に、「歴史叙述の客観性はどこに求められるのか。」という問題に関
    しては、「説明仮説」を基に論理的に推論されるという視点から述べることにする。
    歴史理論について
    「歴史」という語は、「起こったこと」と「起こったことの記述」という二つの意味をもっ
    ているとされていた。これはヨーロッパの思想的伝統に基づいた思考形態である
    (1)が、
    この伝統に基づいた見解から、歴史は次の二つの理論によってかかれる。
    一つは「発見理論」である。ドイツの歴史家ランケ(1795-1886) に代表され、歴史家
    のする事は、「本来どうあったかをしるすだけ」
    (2)としている。つまり過去において事実
    が存在したと言うことを前提に、それを史料通りに書くということである。
    二つ目は「構成理論」である。E.Hカー(1892-1982)は「歴史...

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