酸化還元滴定
【目的】
1, Na2C2O4一次標準溶液を調製し、それを用いて0,02M KMnO4溶液を標定し二次標準とする。(その時のファクターを決定する。)
2, H2O2はKMnO4に対して還元剤として作用するので実験1で調製したKMnO4標準溶液を用いて市販のオキシドールを定量する。
【原理】
酸化還元滴定とは、酸化剤または還元剤の標準溶液を用いて、試料を完全に酸化または還元するのに要する量を測定し、その物質を定量する方法である。
酸化剤のKMnO4は、硫酸酸性下、60~80℃で 還元剤のNa2C2O4 と反応する。
MnO4-+8H++5e-→Mn2++4H2O・・・①
C2O42-→2CO2+2e- ・・・②
H2O2→O2+2H++2e- ・・・③
①よりMnO4-は5価の酸化剤として働き、②よりC2O42-は2価の還元剤として働く。 また、この反応では、当量をすぎると過剰になった MnO4-で溶液が赤色に着色するため指示薬を用いなくても終点が判定できる。
H2O2は、硫酸酸性下で還元剤として働き、③に示したように、H2O2は2価の還元剤として働く。
【実験方法】
①実験器具
メスフラスコ(100cm3)褐色ビュレット、ホールピペット(10cm3)、メスシリンダー(20cm3、200cm3)、時計皿、コニカルビーカー、褐色ビン、秤量ビン、化学天秤、上皿天秤、ホッティングスターラー、回転子、ガラス棒、温度計、結晶皿、薬さじ
②実験方法
[実験1]
(a)0,05molのNa2C2O4を0,6697g精秤し、秤量ビンに残っているNa2C2O4を純水で洗い100cm3のビーカーに移した。約50 cm3の純水で溶解したのち100cm3のメスフラスコに入れた。この時、100cm3のビーカーに残っているNa2C2O4を約10cm3の純水で3回洗浄し、洗液も100cm3のメスフラスコに加えた。純水を加えて標線にメニスカスを合わせて、栓をして3~4回逆さにしてよく振り混ぜる。そうして0,05MのNa2C2O4標準溶液を作った。
(b)KMnO4を精秤しても正しい濃度のKMnO4溶液を作ることはできないので、約0,63gのKMnO4を上皿天秤ではかりとり、メスシリンダーで計りとった200cm3の純水に溶解し褐色ビンに入れて暗所に保存した。この溶液を0,05M Na2C2O4標準溶液で標定し、次のKMnO4滴定の標準溶液とした。このKMnO4溶液は微量分析に使用するため保存した。
(c)コニカルビーカ-にホールピペットを用いて、0,05M Na2C2O4標準溶液10cm3をとり、これを約100cm3の純水と希硫酸(1:5)15cm3をメスシリンダーとホールピペットで加えた。70~80℃に加温し、マグネチックスターラーで 撹拌しながら、KMnO4溶液で徐々に滴定する。この際KMnO4溶液の最初の1~2滴が脱色するにはかなりの時間を必要としたが、これが一度脱色されると溶液中にはMn2+を生じ、この微量のMn2+がシュウ酸の酸化に触媒して働いて、反応は迅速に進行するようになった。すなわち、最初KMnO4溶液1滴を加え、脱色するのを待って、次の1滴を加えた。それからは、0.5cm3位ずつ一度に加え、これを脱色したのち、また0.5cm3位を加えた。このようにして進み、最後の1cm3は1滴1滴加えた。前の1滴が脱色したのち、次の1滴を加え、かすかに残る淡紅色が15秒以上消えずに残る点を終点とした。この際、別のビーカ
酸化還元滴定
【目的】
1, Na2C2O4一次標準溶液を調製し、それを用いて0,02M KMnO4溶液を標定し二次標準とする。(その時のファクターを決定する。)
2, H2O2はKMnO4に対して還元剤として作用するので実験1で調製したKMnO4標準溶液を用いて市販のオキシドールを定量する。
【原理】
酸化還元滴定とは、酸化剤または還元剤の標準溶液を用いて、試料を完全に酸化または還元するのに要する量を測定し、その物質を定量する方法である。
酸化剤のKMnO4は、硫酸酸性下、60~80℃で 還元剤のNa2C2O4 と反応する。
MnO4-+8H++5e-→Mn2++4H2O・・・①
C2O42-→2CO2+2e- ・・・②
H2O2→O2+2H++2e- ・・・③
①よりMnO4-は5価の酸化剤として働き、②よりC2O42-は2価の還元剤として働く。 また、この反応では、当量をすぎると過剰になった MnO4-で溶液が赤色に着色するため指示薬を用いなくても終点が判定できる。
H2O2は、硫酸酸性下で還元剤として働き、③に示したように、H2O2は2価...